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新連載です!
三姉妹の真ん中令嬢、なぜか目立たないんですよね・・
「ああ、チェリー嬢は今日も美しい」
「いや、トゥーエ嬢のが可愛らしく癒される」
今夜も姉妹で夜会に出れば決まって二人の姉妹令嬢に子息たちの視線が奪われる。
姉妹はそんな視線を当たり前のように受け止め、いかに自分を褒め称えるかを競い合っているかのように、次から次へと男性たちに愛想を振りまいていた。
そんな姉妹の様子を少し離れた壁際から眺めている一人の令嬢。
アリィ・ロード子爵令嬢。
今子息たちに群がられている姉妹の、真ん中の令嬢だ。
アリィも他の令嬢のように決して悪い容姿をしているわけでは無い。どちらかと言えば綺麗でもあり、可愛くもある。
ただ、あの二人に挟まれてしまうと・・
「霞んでしまうのよね・・」
と、独り言が口から出てしまう。
あら?
よく見るとアリィの婚約者である、ジョージ・ヘルン子爵子息が二人の間に立っていた。
その姿は見ようによって
「令嬢二人の男みたいだなぁ、ヘルン子息は」
「?!」
突然自分の心の声が漏れたのかと思う言葉に、アリィは手に持っていたグラスを落としそうになった。
「マーレン様・・」
マーレン・グラビティ侯爵子息。
グラビティ侯爵家の嫡男で、今は私の上司でもある。
本来なら働く必要がない貴族令嬢だが、上下に挟まれるとパッとしない真ん中令嬢は親からしたら使い道もなく、だったら家に残して後を継がせよう!と、父の仕事を教えられるようになった。
父は王宮で経理(下っぱ)の仕事をしていて、その仕事を私に押し付けた。
その部署の上司がマーレン様だった。
父は家ではすごく威張っていたが、実際一緒に働くと・・そうでもなかった。
ある日、父はとんでもないミスを犯した。すぐに報告してくれていれば大事にならなかったのだが、父はそのミスを隠した。
あとあと調べたら似たようなミスが度々見つかり、そして事もあろうか私のせいにしたのだ。
「娘のミスを隠してしまいました」
と・・
ショックだった。
そもそも私は携わってない案件だったのに、調べればすぐにわかる事なのに・・
「真ん中令嬢は何をやらしてもダメね」
そんな声も聞こえてきたある日、
「この仕事はロード子爵にしか任せていない案件では?」
そう声を上げてくれたのが上司であるマーレン様だった。
そしてその事を更に上の上司である宰相様に報告をし、父は領地近くの役所へと送られた。
そして父の代わりに私がマーレン様の補佐をする事になった。
「君の仕事ぶりをずっと見ていた。早くて丁寧で出来も良い。私の補佐をしてくれると助かるのだが?」
その一言が決定打だった。




