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88.こっちもお仕事中
「んっは~…さて、午前はこれぐらいですかね」
「あら、大分たくさん採れたみたいですが…」
「あ、ちわっす!書類仕事終わったんだね!」
「ええ、特に何かがあるわけでもありませんから。それで、『それ』はどちらから?」
「んーとね、最近は西部大陸に行ってるんだ。質はそんなじゃないけど、繁殖力はすごいからね」
「ということは、ラット系列の?」
「うん、大量に。これならノルマは楽々達成だね!」
「ふふ、よかったですね。…こちらは、まだです」
「そっか…でも一応分かってはいるんでしょ?」
「はい。大分掘り下げなければ気づかないでしょうが、意外なところで勉学が役立ちました」
「は~、すごいもんだね。じゃあまた今度報告頼むよ。あ、あとこれお土産のお菓子」
「あら、どうも。ではまた」
「うん、じゃあね~!」
■ □ ■ □ ■ □
森の奥深くの小屋で、少女は穏やかなティータイムを過ごしています。
テーブルに広げたお菓子を口にすると、少女は口元を少しだけ緩めましたとさ。