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87.一方、王女様は
「…では、訓練開始です」
『スプラッシュ!』
『タイダルウェイブ!』
「……………」
『ライトニング!』
『サンダーボルト!』
「……終わりですか?」
「はぁ、はぁ、はぁ…」
「全く、私の防壁1枚破れずに何を破ることができるというのですか?」
「あの…むしろなんで魔術師団100人があれだけやったのに破れないかが疑問です」
「あなたたちの攻撃は派手なだけでまるで密度がありません。いつも言っているとおり、相手を穿ち抜くイメージを込めてごらんなさい」
『はっ!』
「では、今度は私が防護魔法をかけた案山子に撃つように。終了までに傷一つつけられなかったら一階級降格させますので」
『えぇっ!?』
「文句を言う暇があるなら撃ちなさい。…大丈夫、頑張れば通るようにはなってますよ」
『了解!』
「さて、私は事務に行きますか…アレア、彼らを見ていて下さい」
「…了解、フィルアイナ様」
■ □ ■ □ ■ □
城の一角、訓練場では、次々と魔法が撃ち出されていきます。
しかし、魔術師たちはなかなか破れない防壁に戦々恐々としていましたとさ。