85.武具鑑定
「…はい、フィエンゴのライニィさんとハルバさんですね。証明を」
「…このとおり、どんな魔法陣も触れても反応しません。ほら、ハルバも」
「ん~、ひんやりして気持ちいいな」
「はい、確かに連絡どおりです。では奥に」
「はい。…いつまで触れてるの」
「あいよっ」
「…フィエンゴから来ましたライニィです。武具を見ていただきたいのですが…」
「うん?…ああ、国から言われてたのか。どれ、そこのガキの持ってんのも貸してみな」
「よろしくお願いします」
「頼むぜ、おっちゃん」
「おっちゃん言うな。……全く、あの村の鍛冶師は…」
「どこか、良くない部分が?」
「…というか、寧ろ良い部分しかねぇってどういうこった、こんちくしょう!」
「どうした、おっちゃん」
「てめえんトコの鍛冶師はどういうヤツなんだ!こっちが調べてさらに改良してたら次の時にはそれよりさらに進歩しやがる!一歩進みゃあ二、三歩進みやがって!」
「…ニャムルさん、知らず知らずの内に嫌みなことをしてたみたいね」
「ニャムルさんすげー!ここらへんのヤツよりずっと硬いの作ってるよなー!」
「ぬあぁぁぁっ、プレートメイルもかぁぁぁぁぁっ!!」
「ねぇおっちゃん、この弓柔すぎだよ!」
「くそぉぉぉぉぉ!!」
「…ハルバ、適当にやめてあげなさいね」
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工房で、主任の親方が狩人たちの武具を見て唸っています。
夕方になっても、親方は武具を見続けていましたとさ。