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84.退き際が大事なのです
「状況はっ!」
「先発小隊2つは敗走、撤退しました!今全体の5割が戦闘中です!」
「ちっ…このぶんだと5割なんぞ…」
「お頭、2割壊滅!指示をおねげえしやす!」
「(思ったより早い…!)撤退だ!動ける奴はやられた奴を1人ずつ回収!お前はアジト待機の奴らの3割を連れてこい!」
『了解っ!』
「誰か俺の弓を一緒に持ってけ!殿は俺とマルダ、ゾーだ!」
『あいあいさー!』
「…なめてかかりすぎたか。とりあえず早めにだな」
「頭!伝令から近隣の自警団に動きありと!」
「今は気にするな!自警団ごときに止められる俺たちじゃねえ!それに奴らは最近出張ってねえからまだしばらくは来ねえ!」
「ういっす、撤退を第一に!マルダ!ゾー!準備は!」
「いつでも!」「どこでも…!」
「よし、行くぞ!」
『応っ!!』
■ □ ■ □ ■ □
山の側面にある洞穴から、頭と手下が次々と走り出していき、馬に乗って人目につきにくい細道を進んでいきます。
しばらくして、疲れた様子の彼らがそそくさと帰ってきましたとさ。