9.ノーベルト日記·1
俺はノーベルト、公国領で商いをする商人だ。
俺は4ヶ月に一度、地方の村に物々交換による珍品、名品の仕入れに行く。
そんな中でもとびきりの品がある村の、とびきり愉快なヤツらについて、記そうと思う。
頼りになる、友人のような護衛だ。
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○月☆日。晴れ。
今日はいよいよあの村だ。
今回はどれだけの素材が手に入るのか、どんな新素材があるのか、前日の今から楽しみだ。
俺も若い頃は無鉄砲な冒険者だったせいか、未だに『未知』という物に目がない。
しかも、それだけじゃない。
この時だけ会えるアイツ等の成長が、早く見たくてしょうがない。
毎回会う度にその身につけている装備がより強く、より美しくなっていく。
腕の立つ鍛冶師が、あの村にいるそうだ。
はてさて、今回の取引はどうなるのだろうか?
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「や、今回もよろしく頼むぜ、アダガフ」
「おう、一応表にまとめといたから、そっちで確認してくれ」
「あいよ、了解だ。お~い、品物確認、それから受渡商品確認してくれ~!」
『わかりました!』
「いい返事だな、こりゃあ将来が楽しみか?」
「ふっ、まだまだ交渉は半人前さ。…さて、話し合いといきましょうか、アダガフ村長?」
「かつての仲間といえど、交渉相手となれば話は別…だろ、ノーベルト殿?」
「その通り。じゃ、こっちの馬車の中に来てくれ」
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ノーベルトさんはおじさんくさいですが、20代後半の若者です。
対してアダガフ村長は既に30代に突入してます。
ちなみにノーベルトさん達公国商人隊は全員紫がかった黒髪、村の皆々様は全員黒髪です。
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