8/119
8.挨拶はしっかりと
「おはようございます。ご無沙汰してます、ノーベルトさん」
「おお、4ヶ月ぶりだなライニィちゃん。で、ハル坊は…」
「おっはようございま~す!!」
「おおう、今回は起きてんな。よしよし」
「へへ、俺も成長したってことよ!」
「…今回で依頼したのは12回目だけどな。もうかれこれ4年か」
「数えてみれば23回も仕事中に寝てたのね…今回だって昨日私が(強制的に)寝かせて、今朝も(鳩尾に肘を食らわせて)起こしてやっと成功だし」
「ままま、細かいことは気にせず出発しましょうや皆さん!」
「調子いいヤツだな、全く…。お~い、護衛が来たから、そろそろ出るぞ!!」
「俺らが来たからにはもう安心、南に向かって、さあ行こ~!」
「ハルバ、不安を煽らないでね」
「おう、了解だ?」
「…ハルバだけが不安だ」
■ □ ■ □ ■ □
村から馬車が数台、連なって進んでゆきます。
簡素な布の服に剣を背負った少女は、先頭の馬車の上で跳ね回る、自分と同じような服で戦鎚を背負った少年を、呆れた様子で眺めていましたとさ。