66.シャムズさんの魔法講座 3
読んで下さっている方々にお知らせがあります。
活動報告でも書いた通り、しばらくは更新ができません…。
身辺が落ち着いたらまた書きたいと思いますので、その時はまた読んでいただけたら幸いです。
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「…魔力とは…この世界を創った神様が…その存在に許した…世界における事象の顕現…その許容量です…」
「…ぐ~」
「…マタク、火球弾…ファイアボールか?覚えたいなら起きろよー…つっても無駄か」
「はい、シャムズさん!」
「ん…何かな、アワユちゃん…?」
「どうして魔力が、え~と、そういうものだって分かるんですか?」
「うん…魔法の基本であり、原点…それを記した『魔法大全』…それにそうあるんだ…。それに、魔力の流れ…その大元は…世界としか表せないんだ…」
「へえ~。…ねえ、アレクスお兄ちゃんはもっと魔力のこと、知ってる?」
「うん?ああ、シャムズが言った通りだぞ。精霊である俺が断言しよう」
「『魔法大全』…世界に散らばる著者不明の『大全』の1つね」
「本当、便利ですけど謎だらけですよね、あれらは」
「あら、ニャムルさん。ニャムルさんも魔法を?」
「いえ、将来の狩人の適性を見に、ね…」
「ああ、私もそんなところです。…どうやら風、みたいですね」
「弓と風…ありきたりな感じもしますが、なかなか面白そうです」
「ということは、『風弓』ですか?」
「いえ…狩人は援護ではなく前に出て闘うこともあるでしょうから、『闘弓』にしようと思います」
「…そういえばニャムルさんは全距離対応の武器が好みでしたね」
「狩人は時にとんでもない状況におかれますからね…」
「分かります…あら、今度は実践するみたいですよ」
「まあ魔力なんて自分で感じるしかないですし、理論は後ですね。…僕は早速打ち始めるとしますか」
「頑張って下さいね」
「はい。では失礼します…あ、『陽炎』や『稲光』の調子が悪くなったらいつでも来てくださいね」
「はい。…さて、薬取りのついではこれぐらいにして、そろそろ拾いにいこうかしらね」
「…では…外で実際に使ってみましょう…」
『は~い!』
「あぅ…」
「…シャムズさん、しっかり頼むわよ…」
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魔法理論を説明し終えたシャムズさんと一緒に、生徒達が期待に胸を膨らまして外に出て行きます。
そして、とある丘では少年が伏しながら大地の赤みを濃くしていましたとさ。