64.シャムズさんの魔法講座 1
「…魔法講座?シャムズさんが先生で?」
「うん!私も教えてもらうの!」
「俺もだ!火球弾とか撃ってみてー!」
「おーい、何してんだ?」
「あら、お帰りハルバ。今日は…水魚ね。何尾とったの?」
「ああ、大体40ぐらいだな。早速ニャムルさんとこに届けてくるぜ!」
「あまり急いで傷つけないようにね」
「おうっ、行ってくるぜ!」
「…ねえ、ライニィお姉ちゃん。ハルバお兄ちゃんに話さなくていいの?」
「話さなくても野生の勘か何かで来るわよ。それで、アワユとマタクはどんな魔法を教わりたいの?」
「んー、私は風の魔法かなぁ?お空を飛んでみたいの!」
「…何だかアワユならハルバよりよっぽど出来そうな気がするわね。マタクは?」
「火球弾、火球弾!」
「きちんと使いどころを教わってね、危ないから」
「火球だ~ん!ど~ん!」
「ふわふわ~、って飛んでみたいなぁ…」
「…まあ、私たちよりはいい結果になるとは思うけど。やるからには頑張ってね」
「「は~い!」」
「いいお返事ね。…さて、私はどうしようかしらね」
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村の狩人の家で、少女は元気な来客を見て微笑んでいます。
その頃、元行き倒れの魔法使いは村長の家で魔法書を探していましたとさ。