57.だ~れだ?
「だ~れだっ!?」
「うおっ?何だ何だ、目の前が真っ暗だ!」
「ふっふっふ~、私が誰だか当てられたら離してあげるよ!といっても無理だろうけどね!」
「なぬ!?…え~と、ライニ、じゃないなこの匂いは…」
「…匂い?声じゃなくて、匂いなの?」
「う~む、ていうかここ風呂場で俺入浴中だから男か?いや、でも雄の匂いじゃないし…」
「お、雄って君…獣じゃないんだから…」
「でも気配感じなかったし…?」
「さあ、どうしたどうした?もう終わりか?」
「あ、じゃあふと浮かんだ謎の言葉で…」
「名前じゃないの?それに謎の、って一体何?」
「それじゃはりきって宣言するぜ!」
「いや、別にはりきりは要らないよ…なんかあの子に似てるなぁ…」
「…ジェイス!って、どう?」
「!?」
「お~い、どうしたんですか~」
「…ま、約束は約束だし…うん、離してあげる。…はい。私はジェイス、じゃあね♪」
「え?ちょっとま……あれ、誰もいない?」
『ハルバ~、のぼせてるの~?』
「いや、大丈夫~!…何だったんだ???」
■ □ ■ □ ■ □
「はぁ、深層部分が少し絡み合ってるのかな~?」
「どうしたジェイス、何かあったんか?」
「うん…あの男の子に目隠しして遊んだの。だけど、流石に『入ってる』だけはあるね。私の名前を言い当てたよ」
「そりゃまあきちんと別れてるようで混ざってるし?…さて、雑談はここまでにしますか」
「は~い。じゃ、私はまた集めてきますね」
「ああ、頼むわ」
「では、行ってまいります♪」