6.葉っぱでゴー
「こんにちは、ハルバ君は話せますか?」
「ニャムルさん。あいつなら2階の部屋で寝かせてありますよ。まだ目は覚めてないはずですが…」
「そうですか。2日連続で大変なことになっているみたいですが、彼どうしたんですか?」
「夢を追っているそうです」
「…まあ夢を追うことは自由ですが、なるべくケガのないようにしてほしいところですね」
「ハルバですから、無理ですよ。…なんか外が騒がしくありませんか?」
「え?…本当ですね、みんな御神木の方に向いて何か…言っ…て…」
「この御神木のでっかい葉っぱならいけるはずだ!うおりゃああぁぁぁ!!」
「…………………」
「今日はあそこに放置かしら。ニャムルさん、ハルバに渡す物でしたら後で私が渡しますよ?」
「え、あ、はい、じゃあお願いしますね」
「…いい物ですね。ありがとうございます」
「いえいえ。それじゃあ、僕はこれで」
「はい、またよろしくお願いします」
「…さて、ハルバ君、生きてるか~い?」
■ □ ■ □ ■ □
普段は静かな夜の村は、御神木に登る少年によってにわかにざわめきたちました。
そして、地に倒れ伏すことになった少年を少女が引きずっていくことにより、また静かになりました。
その時、みんなはこう思っていました。
葉っぱが君を乗せて滑空出来るほど、丈夫だと思ったのかい、と。