53.2人のお仕事 その11~全部どうぞ
「ようこそ、フィエンゴへ。はるばるご苦労様です」
「そちらの案内人のおかげで無事にたどり着けた、感謝する。…それで、情報にあった竜のことなのだが…」
「はい、こちらの狩人が討伐して、死骸は村の奥にあります」
「そうか。新種である可能性が高いので、調査のために鱗や牙を1つずつほど分けてもらえないだろうか」
「いえ、全て持っていって下さって結構ですよ。運ぶための荷台も用意してあります」
「す、全て!ありがたい!だが貴重な竜の鱗などをそんな簡単にやってもよいのか?」
「…そうですね、百聞は一見にしかず、と言いますし、竜の死骸を見ていただきながらお話ししましょう」
「分かった。他の兵たちはここで待機させておけば?」
「いえ、向こうの方であまり豪勢ではありませんが食事を用意してありますから、そちらに行ってもらえればありがたいです」
「何から何まで感謝する。カイン、みんなの誘導を頼む」
「はっ、了解いたしました」
「では行きましょう。こちらです」
「うむ」
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村に着いた兵士たちは、村の料理を味わいながら緊張の疲れを癒やします。
そんな兵士たちの隊長は、村長に連れられて村の奥へと歩いて行きましたとさ。