5.気合いで空を飛ぼう
「見つけたぞライニィ!よくも水風呂に沈めやがったな!」
「元気そうね、ハルバ。なら空を飛んでみたら?」
「む、その通りだな。だけどどうすりゃいいかねぇ…やっぱりここはアレだ!」
「とっっってもお馬鹿なあなたの言うアレ、とは何かしら?」
「なんか余計な言葉があった気がしたが…まあいい、アレとはつまり、気合いだ!!」
「…そう。なら森の奥の大老樹林にある木の上から飛んでみたら?」
「おお!それなら気合いで高く飛べそうだな!流石は我が友ライニィ!」
「ええ、お馬鹿なハルバと違って色々知ってるから」
「よっしゃ、じゃあ吉報を待っててくれ!」
「はいはい、今日も傷薬用意しとくわ」
「目指すは大老樹林!さあ、来るがいい獣どもぉぉ!!」
「まあ、『普通の獣』を倒すなら『喰わない』ようにね。せっかくの質がもったいないし」
「おうよ!行ってくるぜ!!」
「…さて、あとの『仕事』はハルバに任せて、私は収集に勤しみますか」
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その日の夕方、村の南の森を更に南に行くと見える、巨大な木々から成る樹林に、獣と少年の叫び声がこだましました。
そして、少女は今日の朝と同じように少年を背負って、大きな麻袋を腰に下げて帰りましたとさ。