42.鍛錬大会翌日
「で、今回の結果はどうだった?」
「うむ。北は協力することを学び、西は技術的な面が鍛えられ、東は実戦に近い形で勘を養った」
「…南の弓は?」
「…成功、ではある。他のどこよりもしごかれていたしな…。だが、参加者はあと3日は休養しないと動けん…」
「一体何をしたらそんなんになるんだ!?仮にも成人した男ばっかりだろ!」
「的当ての訓練はいいとして、どうやらその後南の森で野戦兼夜戦訓練をしたらしく…しかも木の上を飛び交って移動し、枝から標的を撃つということを強要された、ということだ。ちなみにアワユは今日も元気に走り回っている」
「…まあ、予想はしていたけどな。でも技術が飛躍的に上がるのはそうなんだよな…。才能が凄まじければ教えるのも上手いし…」
「良しとしたらいいと思うぞ、アダガフ」
「はぁ…。ところで、タリズはどうだったんだ?」
「ああ、北で指揮を執っていたようだ。素早く判断することでさして混乱も無く、被害も抑えられた。今日は一緒に戦った仲間の所を回っているそうだ」
「そうか…なかなかいい感じじゃあないか、カンカサム?」
「そうだな…アダガフの目に狂いは無かったというわけだ」
「こういうことはあまり自信は無いけどな。…報告ご苦労、カンカサム。仕事に戻ってくれ」
「ああ。次回も楽しみにしているぞ」
「あいあい、考えとくぜ~」
■ □ ■ □ ■ □
「神様、昨日のアワユは…」
あ~、久々に見たな。相変わらずすごい変わりようだよな。
「普段が可愛いだけに、差異が激しかったぜ…」
…まあ今の発言は置いといて、確かに激しいな。狩人としての腕もハルバとライニィにさほど劣ってないな、ありゃあ。
「ああ、なんか知らない面が次々と出てきそうだ…」
なんだ、怖じ気づいちまったのか?
「…いや、逆に早く全部見たい!」
お前もう帰れ!!