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40.門番さんの鍛錬大会 その6
『………(…ブルブル)』
「…では、訓練を始めます。弓班は私、アワユが班長を務めます」
「(…おい、何をそんなに震えてんだ?)」
「(お前は知らないか。…いいか、『今の』アワユには従っておけよ)」
「(はあ…?ていうかアワユに班長なんて務まるのかよ?」
『!!!』
「やべ、声が出ちま」
シュカカカッ!
「…いました…すみま、せん…」
「…次は無いですからね、ラグランさん」
「は、はい…」
『(あ~あ…)』
「それでは…あの的に当てた人から、門の外に来てください」
『はいぃっ!』
■ □ ■ □ ■ □
南門では、妙に静かな雰囲気の中、弓の訓練が行われました。
村の弓使い達は、門の向こう側からの冷気に震えながら的当てをします。
その様子を、黄緑色の髪の青年が目を丸くして見ていましたとさ。