37.門番さんの鍛錬大会 その3
「終わったようだな。では、次に武器の技術向上訓練だ。皆、得意な武器に合わせて次から言うように別れてくれ」
『………』
「まず、片手剣、大剣を使う者。西門にいるライニィが班長だ。向こうに木彫りの模造剣があるので、それを使って訓練する」
「カンカサムさん、刀使いも西門へ?」
「ああ。そうしてくれ。…次に、槍、棒を使う者。私が班長だ。この場に残っていてくれ」
『はい』
「うむ。…そして、弓を使う者。南門に行ってくれ。木彫りではない、実戦用の弓矢を使っての訓練だ」
「あの…カンカサムさん、弓班の班長は…」
「…分かっているとは思うが、班長は…アワユだ」
『はぁぁぁぁ…、やっぱり…』
「…まあ、頑張れ。最後にそれ以外の者。武器を使わない、拳のみの者もこちらだ。北門でハルバが待つ手はずになっている」
「ハルバ、復帰出来るんでしょうかね?」
「おそらく大丈夫だろう。いなかった場合はあいつの家から引っ張り出してくれ」
「…地味に鬼だな」
「…以上だ。では、移動開始!」
■ □ ■ □ ■ □
村の東門から、男達が数人ずつ固まって移動してゆきます。
西にゆく者はやる気に満ちた表情で、南にゆく者はそこはかとなく哀愁を背負って、北にゆく者は談笑しながら、それぞれの訓練場所へと行きましたとさ。