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34.一方、こちらでは…
「………………」
「神様、朝ですよ?」
「………………」
「お~い、生きてるか~?いや、死ぬワケないけどな」
「………ぐるじい、ぎもぢわるい」
「あらあら、神様ったら」
「…ここに転がってる瓶の量は何なんだ?豊穣、一体何本飲んだんだよ?」
「私が12本、神様が5本よ。飲み比べしたんだけど、神様ったらすぐ降参されてしまって…」
「合計17本!?更に内12本を1人で!?」
「ふふ、私はお酒には強いの」
「強いの程度じゃないよ最早…。しかも全く二日酔いの様子も無いし…」
「……………ぐずり、ぼじい…」
「なら俺がちょっくらもらいに行ってくらぁ。豊穣、瓶片付けろよ?」
「あ~…だのむ~…」
「ええ、任せて。……さて、神様?」
「…え゛?」
「やっと…2人きりですね…ふふふっ…」
「ひっ!?だ、だれがだずげで…。」
「うふふ…神様ぁ…」
「あ゛~~~……」
■ □ ■ □ ■ □
その日、酒瓶の数が合わないという怪事件が村に起こりましたが、昨日は祭だったということですぐに忘れ去られました。
そして、遥か遠くのある場所では、美女に追いかけまわされる青年がいたそうな。