16.投石機を求めて
「タリズさん、投石機、って知ってる?」
「ハルバか。投石機、っつうと岩投げるためのでっかいアレか?」
「多分それ!で、それって村にある?」
「…どうだろうな、俺も小さい頃に1回見たっきりで分からないけど、もう分解されてるかもしんないな…」
「アダガフさんに聞けば分かるかな?」
「ん~、そうだな…そういうのに関しては、長よりもヴェステさんに聞いた方が良いかもしれねえな」
「ヴェステさん…か…。」
「まあ2人に聞いても分かんなかったら、一緒に宝探しみたいに探してやるよ」
「うん…ありがとう…」
「…大丈夫、じゃないなあれは…。どうしてあんなに苦手かねえ?」
■ □ ■ □ ■ □
「む!…来るっ!」
「何がです?変わった獣ですか?」
「私にとっては至高の獣、それはもう襲われてもいいくらいに!!」
「…獣にそんなのあるんですか?」
「ちっちっち、分かってないねぇ精霊くん。ま、そんなこと言ったって私と精霊くんは別の個体なんだから、無理に分からせようなんてしないんだけどね」
「ネジが飛んでるのか理性的なのか分からない人だ…」
「とにかく準備しなきゃ!あ~、もういつぶりかしら~!」
「…あれ、俺放置?なんか扱い酷いな…。まあ、小さい頃からヴェステはああだったとはいえ、あの時から特に……あ、来るのってアイツのことか」
〇 ● 〇 ● 〇 ●
ちなみにヴェステさんは女性で、年は20代です。
一応美人で仕事の出来る優秀な人…なんですが、天は二物を与えませんでした。
詳しくは次の話で…。