13.精霊さんと村娘
「ん~っ、いい夜だねぇ。結局アイツ等の起きてる時間は、仕事しっぱなしになっちまったなぁ」
「…誰?」
「ん?…アワユちゃんか」
「…もしかして、ライニィお姉ちゃんの言ってた、精霊さん?」
「おうっ、噂の精霊アレクスとは俺のことよ!」
「わぁいっ、御神木さんの精霊さんに会えたっ!」
「そんなに嬉しいか?」
「うんっ!だって、ずっと御神木さんとお話ししたかったんだもん!」
「あ~、そういえば村で一番御神木の手入れしてたの、アワユちゃんだったな。いつもありがとなっ!」
「えへへっ、精霊さんに撫でてもらっちゃった!」
「うむ、いい子だなぁ、ホント。で、夜中にどうしたんだ?こんな村はずれで」
「ここ、私の秘密の場所なの。マタクにも教えてないんだ!」
「ほう…確かに湖は綺麗だし、こっからの月は別嬪さんだもんなぁ。しかも今宵は満月ときたもんだ」
「うん、とってもキレイ…」
「…あ、秘密の場所だってのに来ちまった。すまん、アワユちゃん」
「ううん、いいよ。精霊さんと私の、2人だけの秘密にしようね!」
「…っ!」
「精霊、さん?」
「はっ、いや、大丈夫大丈夫。コロリとやられそうになんかなってないし、俺はロリコンじゃないからな!」
「う、うん?…ホントに大丈夫、精霊さん?」
「ああ…。っと、精霊さんじゃ呼びにくいだろうから、俺の事はアレクスって呼んでくれ、アワユちゃん」
「は~い。じゃあ精霊さん…アレクスお兄ちゃんも、アワユ、って呼んでね!」
「…っっっ!!」
「…アレクスお兄ちゃん?どうしたの?」
「あ、いや、そのなっ!」
「? なぁに?」
「おぐぅあっ!も、もう無理だぁぁ!!ごめんアワユちゃ、いや、アワユ!また今度の満月の日になっ!!」
「あっ……。アレクスお兄ちゃん、行っちゃった…。でも、また満月の日に…会ってくれるんだよ、ね?」
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「はぁっ、はぁっ、はぁっ…」
…何やってんだアレクス。つかお前そういう…。
「違うっ!アワユが…その…俺にストライク過ぎるだけだっ!」
うわ、ついに横文字使いやがったよ、このロリコン精霊。
「知識は共有してんだから異文化の使いやすい言葉使うぐらいいいだろっ!?てかロリコン言うな!」
違わねえだろアレク、いや、ロリコン?
「ぐ、ぐおぉぉぉ!アワユ、不甲斐ないお兄ちゃんを許してくれぇぇぇっ!!」
……帰っちまった。ちょっちやりすぎたか。ま、せっかくの生だ、アイツもこういうことの1つや2つはいいだろう。
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精霊アレクス、登場2回目にしてロリコンになってしまいました…。
そんなつもりはなかったのですが…。
ちなみにアレクスは黄緑色の瞳と髪で見た目の年は23か4というところです。
(実年齢はすごいことになってます。)
結構イケメンの、頼れるお兄ちゃんキャラ…のはず。
偶然目にしてくださった方々へ。
感想など、お待ちしてます。