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106.討伐依頼
「…北方大陸、ですか」
「はい。救援要請が来ましたが、聞いた情報から判断するにそちらの狩人を派遣するのが一番だとなったのです」
「なるほど…条件はこの資料にある通りとして、相手の情報は?」
「こちらに。…確実なものではない、と念押しされましたが、数回の調査からの報告ゆえ、ほぼ間違いないでしょう」
「…これはまた、物珍しい相手ですね。竜、ではなく『龍』とは。…もしかして黒ですか?」
「いえ、蒼と聞いています。住処の近隣の村に被害が出れば、流石の龍でも対象になるようです」
「…わかりました。人員については追って連絡します。後は資料通りに」
「よろしくお願いします。では、私はこれで」
「誰か付けますよ、少々お待ちを…」
「いえ、自分を鍛えたいという若者たちに護衛をお願いしてきましたので大丈夫です。では」
「はい、お気をつけて…。…『水龍』ねぇ…3人の方がいいかねぇ?」
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村長は頭を掻きながら、資料を読み直します。
その後、相手の姿をぼんやりと思い浮かべながら、彼は狩人たちの相性を考えるのでした。