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99.そして、ありきたりな朝
ピピ…チュンチュン…
「ん…」
小鳥のさえずりに意識が引っ張られ、まぶたを開く。
頭だけを傾け、窓からさしている陽を見てみると、どうやらいつもどおりの時間らしい。
だが、雨上がりであることを考えると少し寝過ごしたかもしれない、そんな風に感じながら体を起こす。
「ふぁ…んん…」
無造作に置かれた商売道具を手に、部屋の扉を開いた。
「さて、と…」
いつもの狩りの時間だ。
気合いのあまりに凍りつく首筋に気づくことなく、意気揚々と階段を降りた。