11.ノーベルト日記·3
〇月∑日。
やはりアイツ等は最高だ。
今までにも依頼中にリザードラットに出くわしたことはあったが、対処が格段に早くなった。
武具だけでなく、体も大分鍛えたらしい。
次の時も楽しみだ。
手に入れた素材に関しても、文句はない、というより出せたら大物だ。
あの地域のみにいる獣の素材はほとんどあった。
王都なら貴族様たちが享楽で買うような値段だが、作物の種やら肥料やらで手に入れられるこの取引は美味しすぎる。
…さて、帰ったら家族で美味い物でも食いに行くかな。
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「…では、私たちはここで別れます」
「おう、ありがとな!ウチの若いのも世話んなったようだな」
「こっちだよ、お兄さん達!ひゃっほ~い!!」
「このヤロ、待ちやがれ~!」
「回りこめ!挟み撃ちにしてやる!」
「…世話になってるな」
「ウチの馬鹿がすみません。では、また4ヶ月後に」
「ああ。楽しみにしてるぜ」
「ありがとうございます。ハルバ、そろそろ行くわよ!」
「いやっほ~い!誰にも俺は止められ…」
「…ハルバ、行くわよ」
「…はい。それじゃあノーベルトさん、お弟子さん達、また今度!」
「ハル坊も元気でな…ってもう見えなくなっちまった。相変わらず早い…」
「ノーベルトさん、荷物の確認、再固定、完了しました」
「分かった。よ~し、お前ら、次のトコでも稼ぐぞ!!」
『お~っ!!』
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ちなみにノーベルトさんの一団は、国中を1ヶ月ほどかけて回ります。
ハルバ、ライニィ達の村は大陸の北、国境の端っこにあります。