表示調整
閉じる
挿絵表示切替ボタン
▼配色
▼行間
▼文字サイズ
▼メニューバー
×閉じる

ブックマークに追加しました

設定
0/400
設定を保存しました
エラーが発生しました
※文字以内
ブックマークを解除しました。

エラーが発生しました。

エラーの原因がわからない場合はヘルプセンターをご確認ください。

ブックマーク機能を使うにはログインしてください。
106/119

96.その雨の夜は長く 6

「逃がすか…っ!」

「っ!」

黒装束が素早く立ち回り、追いかける炎と電気が雨の中で闇を照らしていく。

剣を受けはしないものの、黒装束は焦っていた。

(何で…弾かれるっ!)

ハルバにしたように体内で水を発生させようとするが、魔法を体内で発動させるための魔力が弾かれているのだった。

魔力を纏っているのか、はたまた何かそういった力を持つ物を身につけているのか。

「そんなものに…そんなものに、ハルバがっ!!」

「くっ…!」

とっさにナイフで防ぐが、振り上げられた『陽炎』が溶かし、斬る。

一瞬のみでは下がりきれなかった黒装束の目の前を、『稲光』が走った。

外れた『稲光』は、しかし、纏う雷で漆黒の布を焼き切った。

「!!」

「…シャムズ、さん?」

取り払われた布の下には、僅かに水色に輝く髪と強張った青年の顔。

「なんで、シャムズさんが…?」

「…それが…真実。そして…僕は君を消さなきゃ、ならない…っ!」

シャムズは得物を失った右腕を掲げ、雨水を頭上に収束させる。

ライニィは俯き、だらりと剣をぶら下げたようにしながら何事かつぶやいた。

「ハルバは………のに…」

「全てを砕け…裁きの激流…!」

そしてシャムズの右腕は、震えながらも力強く振り下ろされた。

「…アクア、パニッシャー!!」

「ハルバはあなたを…信じていたのにっ!!」

山の一角に、光と共に轟音が響き渡った。

評価をするにはログインしてください。
この作品をシェア
Twitter LINEで送る
ブックマークに追加
ブックマーク機能を使うにはログインしてください。
― 新着の感想 ―
このエピソードに感想はまだ書かれていません。
感想一覧
+注意+

特に記載なき場合、掲載されている作品はすべてフィクションであり実在の人物・団体等とは一切関係ありません。
特に記載なき場合、掲載されている作品の著作権は作者にあります(一部作品除く)。
作者以外の方による作品の引用を超える無断転載は禁止しており、行った場合、著作権法の違反となります。

この作品はリンクフリーです。ご自由にリンク(紹介)してください。
この作品はスマートフォン対応です。スマートフォンかパソコンかを自動で判別し、適切なページを表示します。

↑ページトップへ