表示調整
閉じる
挿絵表示切替ボタン
▼配色
▼行間
▼文字サイズ
▼メニューバー
×閉じる

ブックマークに追加しました

設定
0/400
設定を保存しました
エラーが発生しました
※文字以内
ブックマークを解除しました。

エラーが発生しました。

エラーの原因がわからない場合はヘルプセンターをご確認ください。

ブックマーク機能を使うにはログインしてください。
10/119

10.ノーベルト日記·2

○月◇日。曇り時々晴れ。

いよいよ今日は出発の日、護衛のアイツ等が来る日だ。

昨日までは片っぽが大怪我しただか何だかで会えなかったが、今日はちゃんと来るそうだ。

…そういえば昨晩村に響いたあの鈍い音は、何だったのだろう?

まあ、深くは考えまい。

■ □ ■ □ ■ □

「ノーベルトさん、早速お出ましだ!」

「出発して1時間もせずにリザードラットの群れ、か。じゃあ頼むぜ、2人とも」

「了解しました。さ、行くわよハルバ。氷の魔石は準備した?」

「ああ、大丈夫だ。『村喰いの炎』だろうが何だろうが、キッチリ守ってやるさ!」

「よし、お前たち、前衛は2人に任せて、弓矢で後方から援護しろ!接近戦はリザードラットと戦える自信があるヤツのみ!2人の足を引っ張るなよ!」

『はいっ!!』

「さて…ネズミちゃんたち?」

「寝床に帰るか、ここでくたばって寝るか、選びなぁっ!」

■ □ ■ □ ■ □

それは、戦闘とは程遠いモノであった。

リザードラットの異名、『村喰いの炎』は決して伊達ではなく、武器、防具において改良に改良を重ねてようやく人が対等に相手を出来るようになった獣である。

身に微弱な火気を纏っているリザードラットは触れた物に否応なく熱を浴びせ、遥か古代に混じったとされる竜の血により身につけた、強固な鱗で半端な攻撃を全て弾く。

群れが通った跡は、全てが紅く染め上げられ、その紅がまるで村を食らうようだとまで言われる。

 

が、しかし。

 

この場においてそのような異名は、2人の戦士には何の意味も持たなかった。

少女の手では片手剣二振りが煌めき、少年の頭上では彼の背丈の半分はあるであろう、巨大な戦鎚が鈍く光る。

2人が過ぎた後には、真っ二つにされた赤黒い血液にまみれた胴体か、潰れて原型を留めていない凍りついた物体のみが残った。


評価をするにはログインしてください。
この作品をシェア
Twitter LINEで送る
ブックマークに追加
ブックマーク機能を使うにはログインしてください。
― 新着の感想 ―
このエピソードに感想はまだ書かれていません。
感想一覧
+注意+

特に記載なき場合、掲載されている作品はすべてフィクションであり実在の人物・団体等とは一切関係ありません。
特に記載なき場合、掲載されている作品の著作権は作者にあります(一部作品除く)。
作者以外の方による作品の引用を超える無断転載は禁止しており、行った場合、著作権法の違反となります。

この作品はリンクフリーです。ご自由にリンク(紹介)してください。
この作品はスマートフォン対応です。スマートフォンかパソコンかを自動で判別し、適切なページを表示します。

↑ページトップへ