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第五話

遅くなってすみませんでしたぁぁぁぁぁ!!!

【とある日の回想】


 教室で花瓶を片付けていたらなんと!一人の女子生徒に声を掛けられました!


 いや〜!驚きだよね!

 まさかこの時間にまだ自分以外の生徒が学校に残っていたとは!


 しかも相手は可愛い女の子!

 うん!まさかこんな展開が待っているとは!


 たまにはこうして善を積むのも悪くないよね!


「、、、あっ、、、え〜とっ」


 しかし内心の興奮とは裏腹に、口から漏れたのはなんと、吃ったセリフだった。


 だって仕方がないじゃん!

 普段から絶賛ボッチ生活を送っている俺からすれば、先生以外の人と話をするの自体が随分と久し振りなんだもん!


 それも可愛い女の子なんだぜ!尚更緊張するよね!

 だから吃っても仕方のない事だと思うんですよ!


 ねっ!?みんなもそう思うよね!!


 ねっ!?


 、、、すると。


「ごめんなさい!脅かせたかった訳ではないの!ただ純粋に何をやってるのかが気になって」


 そう言って、何故だか必死に謝り始めた女の子。


 、、、うん、なんで?


 だが先程の自身の反応を思い出して合点がいった。


 そうか!分かったぞ!

 先程、俺が吃ってしまった理由を、自分が驚かせてしまった所為だと勘違いしているのだな!


「あっ、、、そうだったんですね」(ボソッ)


 だとしたらいかん!いかん!

 挙動不審なのは良くないぞ!相手に不信感を与えてしまうからな!


 ここは一度深呼吸をして、なんとか落ち着きを取り戻そう!


 、、、。


 ふう。(胸に手を当てて深呼吸をする音)


 、、、。


 よし!だいぶ落ち着いたぞ!

 これでもう吃る心配も無いだろう!


 さてさて。


 改めて目の前の女の子を見てみる。

 肩の辺りで切り揃えられた綺麗な黒髪に、整った顔立ち。

 スラリと伸びた美しい手足に、白雪の如く真っ白な肌。


 うん!やっぱりメチャクチャ可愛いよ!

 完全完璧な美少女だよ!


 こんな子に声を掛けて貰えるなんて!

 折角ならこのチャンスを活かして仲良くなりたいのが本音だよなぁ!


 なぁ!


 てな訳で早速、前世のギャルゲーで培ったトークスキルを駆使して話し掛けてみるか!


「え〜っと、貴女は、、、?」


「同じクラスの桜木花音よ。話すのは初めてかしら?」


「そうですね。えっと、私の名前は、、、」


「柊寧々さんよね?」


「えっ、、、」


 、、、。


 え?


「知っていたんですか?」


「勿論よ。だって同じクラスだもの」


 、、、。


 、、、。


 マジかぁぁぉぁぁぁぁぁぁぁ!!!


 なんとなく同級生だろうな〜とは予想していたけど!!!

 まさかのクラスメイトだったんですけどぉぉぉぉ!!!


 普通に会話の初手で致命的なミスを犯してるんですけどぉぉぉぉぉ!!!!


 、、、。


 でも仕方ないじゃん!?(逆ギレ?)

 だって普段ぼっちなんだもん!!!!クラスメイトの顔をしっかりと見た事なんてないんだもん!!!!


 だけど!相手は自分の名前は知っていた訳で!

 これは完全に言い訳ができない!完膚なきまでの詰み状態!


 オワタ、、、。オワタよ俺の美少女と友達になろう計画。


「えっと、、、。それはすみませんでした」(シュン)


 完全に意気消沈しながら謝る。


 さようなら俺の楽しい学校キャッキャウフフ生活。

 そしておかえり俺のぼっち生活。


 、、、だが。

 そんな俺の予想に反して。


「いいのよ。そんな事よりも、、、こんな時間にこんな場所で何をしていたの?」


 先程の失礼な対応を気にした様子も見せず、真剣な顔でそう問い掛けてきた女の子ーーもとい桜木花音さん。


 えっ?何でかって言うと、、、。


「え〜っと、、、。たまたま教室の前を通ったら花瓶が倒れている事に気付いたので片付けてました」


 それだけなんだけど。

 それがなにかあったのだろうか。(ポカン)


「なんで?」


「?」


「なんで片付けていたの?」


 すると顔を俯いた後、盛りにそう呟く桜木花音さん。


 、、、えっ、、、?


「何でと言われましても、、、。教室が汚れていたら片付けるのは当然の事だと思うんですけど、、、」


 それ以外に何かあるか?

 桜木花音さんの反応を不思議に思っていると。


「汚れていたからって、、、。でもそんな事をしたら貴女が!」


 そう言って少し強めに叫びながら俺の()を見つめる桜木花音さん。


 、、、。


 まさか、、、!!!


 分かったぞ!!!!

 きっと彼女はこう言いたいのだ!!!


 こんな土でドロドロなモノを片付けていると手が汚れるのに何で片付けているかって!!!


 確かに女の子だもんね!!!

 そう思うのも当然なのかな?


 だけど俺は日本男児!!!

 その様な事など一切気にしないのだ!!!


「桜木さんの言いたい事も何となくわかります。ですがそんな事はどうでも良いと私は思います」


「、、、どうでも、、、良いの?」


「はい」


 だって日本男児だからな!!!

 むしろ率先してやるべきだろ!!!


「でっ、、、!でもっ、、、!」


 だが尚も食い下がる桜木花音さん。


 、、、なんで?

 よく分からんが、、、。


 あれか?もしかして彼女は潔癖症なのかな?

 だとしたら納得かもね。


 だが。


「それに私の手はもともと汚れていました。なのでこれ以上汚れた所で何も感じません」


 どうせさっきまで図書室の整理をしていたから俺の手はもともと汚れていたんだよな〜。これが。

 だからマジで誤差でしかないんだよな〜。


「、、、確かに桜木さんの意見も分かります」


「、、、」


「ですがそんな事よりも私は自分が正しいと思った事を大切にしたい。ただそれだけなんです」


 俺的にはこれが偽らざる本音なんだよね。

 ちょー真面目な奴っぽくなっちゃうけどさ。


 それに本音を言うと、ちょっとは打算もあったんだぜ。

 現にさ。


「それにほら、、、。こうして手を汚すのは悪い事ばかりでもないんですよ、、、。現にこうして、、、」


 今から口にしようと思っている言葉が恥ずかしくて、ついモジモジしてしまう俺。


 え〜い!!恥ずかしいが!!

 男は度胸だ!!


 勇気を出して桜木花音さんの事を見つめると。


「桜木さんみたいな、こんなにも可愛い人とお話ができたのですから」


 、、、。


 きゃーーーーー!!!!!


 言っちゃった!!!

 ちょー恥ずかしいセリフを言っちゃったよ!!!


 こんな可愛い女の子にこんな漫画みたいなセリフを言うなんて!!!


 前世を含めても初めてだよ!!!

 だから恥ずかしいに決まっているだろぉぉぉぉぉぉ!!!


 内心で羞恥に悶えながらも、つい反応が気になって、恐る恐る桜木花音さんの顔を見てみる。


 すると。


 、、、。


 え?


 俺の臭いセリフを受けて驚いた表情で固まる彼女。


 なにその反応。


 どっち!?

 好印象なのか悪い印象なのかどっち!?


 だがそんな俺の混乱など気にする素振りも見せず。


「確かにそうだね。柊さんの言う通りだよ」


 真剣な表情を浮かべると、そう言葉を紡いだ桜木花音。

 そして徐に俺の横まで移動すると、俺と同じ様に花瓶の片付けを始めるのだった。


 、、、。


 え?


 その様子を呆然と眺める俺。


 、、、。


 いやいや。


「あっ。さ、桜木さんはやらなくても良いですよ、、、それに、花瓶も割れていて危険なので、、、」


 女の子には危険すぎるよ!!!

 だから俺が一人でやるよ!?


 、、、だが。


「ふふっ、正しいと思った事をする、なんでしょ?なら私にもやらせてよ」


「そ、それは、、、」


 俺の言葉を引用して反論してくる桜木花音さん。


 うぐっ。

 それを言われると何も言えないんですけど。


 なにせ自分が発した言葉だからね。


 む〜。こうなったら仕方がない。


「わ、分かりました。なら一緒にお願いします」


「了解!ならこっちを片付けるね!」


「はい。ありがとうございます」


「お礼を言うのはこっちだよ!ありがとね柊さん!」


 そう言って笑顔で応える桜木花音さん。

 その表情はとても晴れやかな笑顔だった。


「い、いえ私は何も、、、」


 その様子を呆然と見つめる俺。


 、、、。


 うん。


 これは一体どういう反応ですかね!?

改めましてこんにちは!マキノンです!

いつもお付き合いありがとうございます!

本当に本当に嬉しいです!

早速ですが当作品について、タイトルを見て気付いた方もいるかもしれませんが、当初予定していた話まで書き切ることができた為、これにて完結といたします!

短い間でしたが、お付き合いをいただけた皆さま!

本当にありがとうございました!

とは言っても執筆自体はまだまだ続けていくつもりなので、引き続きお付き合いいただけると幸いです!

今後ともよろしくお願いします!

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