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ひこうき雲  作者: 三毛
第六章 ひこうき雲のその先
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第四十六話 外傷

この話は過激な描写が含まれています、読まれる際は注意してください。

「アカサカ司令、出航準備完了しました」


「ん、それじゃあ出航だ、ベース78に到着次第アーセナル・ヴァルキリーの指揮下に入ってくれ」


「了解しました」


プロメテウスはベース001を出航、ベース78へと向かった。


「アキ、ソラは大丈夫か?」


「ひとまず安心だよ、一時はどうなるかと…」


オサムは胸を撫で下ろした、あそこまで怒り狂うソラを見た事が無かった為、あの後もずっと心配だった。


「アカネ少尉…お前はアレが理解出来たのか?」


「戦い方だろ、そんなの言われなくても分かってる、実際前の戦闘でもアカネ少尉がいなけりゃ助からなかった」


「訓練だけでは分からないのかもな」


アキ達が雑談をしている間、アカネ少尉はシミュレーターに3時間も篭っていた、額からは汗が滴り、側から見ただけでも疲れが見えていた。

ヤサカ大尉が近寄り話しかけてきた。


「やぁ、頑張ってるね」


「ハァ…ふぅ…あっ、ヤサカ大尉、お疲れ様です」


最高難易度で訓練していた為、息が上がり切っていた、極限状態の中で戦いが繰り広げられたシミュレーターのスコアには、被弾ゼロ、敵全滅と表示されていた。


「流石だね、でもあまり無理しないで」


「はい…あの事怒りに来たんですか」


アカネは疑いの目をかけながら少しシュンとした、ヤサカ大尉は微笑んだ。


「ははっ、そんな事ないよ、ただやっぱりアキ少尉の言う通り、僕達は仲間だから、あんまり強く言い過ぎないでほしいな、彼らも同じ被害者だから」


「ごめんなさい…」


◯回想


7年前、反国連軍との戦闘も大詰めを迎えていた、アカネの住んでいた都市フィサリアは反国連軍の攻撃で焼け野原になっていた。


「ママ…パパ…何処…?…」


辺りは黒煙と炎で視界が奪われ、暗闇が真っ昼間のフィサリアを覆い尽くしていた。


「あいつ、生き残りの女だ」


「おい、まだ子供だぞやめておけ」


「へへっ、ちょっと来い!」


反国連軍兵士は当時9歳のアカネの腕を掴み、路地裏へ連れ込もうとしていた。


「いやぁぁぁ!」


「うるせぇ!黙らねえと殺すぞ!」


アカネの口を塞ぎ、服を破り捨てた、アカネはショックの余り声が出なくなってしまった。兵士がベルトのバックルを外そうとしている時、拳銃の発砲音が二回鳴った、アカネが見た光景は頭から血を流し倒れた2人の反国連軍兵士だった、その視線の奥に震えながら銃を構える、血の滲んだ白衣を着たヤサカの姿があった。


「ハァハァ…死んだか…君、大丈夫か!?」


「誰っ?!誰!?嫌だ来ないで!」


ひどく怯えながら後退りするアカネを抑え込み、血の滲んだ白衣を着せた。


「大丈夫!大丈夫だから!僕達は君に危害を加えない!」


アカネは数分すると大人しくなった、怯えているのか、気持ちが少しマシになったのか、はっきりと分からなかった。


アカネは未だにヤサカの事を睨んでいる。


「まぁまぁ…そんな怯えずに、僕は国連防衛軍ベース050所属、救護班長ヤサカ准尉さ、つまりお医者さんって事、近くの別名サイサリス基地って分かるかい?そこから来たのさ」


「サイサリス…医者…」


「ひとまず基地に向かおう、イデッ!」


ヤサカは手を差し出した、だがアカネはその手に噛みついた。


「ぐっ…よしよし、大丈夫、噛んでてもいいよ」


アカネは涙は見せなかったが、全身は小刻みに震えていた、次第に大粒の涙がアカネの目から溢れてきた、徐々に噛んでいる力が弱くなり、噛むのをやめヤサカの手を取った。


◯回想終わり


(あの頃と比べりゃ、かなり成長したがまだまだ対人関係は教育が必要だな…)


4日が過ぎた頃、空母プロメテウスはベース78に到着した。3人はヤサカ大尉と一緒にブリーフィングルームに向かった、アキ達の横にはマスドライバーがあり、実験の最中だった。


「ベース78…」


「凄いだろう、ここがベース78、戦闘メインじゃなくて宇宙を研究している基地さ、国連防衛軍は宇宙で艦隊を作るつもりらしいからね」


「ふんっ!」


相変わらずソラとアカネの中は劣悪だった。


「まぁまぁ…」


マスドライバーには箱が置いてあり、その箱は目一杯加速し、打ち上げられた。


「おぉ、何処に飛ばしてるんだ?」


「海の上だよ、記録して調整してるんだ、アキ少尉、君が宇宙に行くんだよ」


アキは立ち止まった、驚きの目つきでヤサカを見つめた。


「ははっ、そんなに固まるなよ、宇宙進出計画って時点で予想できたろうに」


「えぇ…ただの見学かと…」


5人はブリーフィングルームに到着した、ホワイトボードにはFG15sが映っており、とても懐かしく感じた。


「おっFG15だ懐かしい」

いまさら出てきたFG15、一体…

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