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ひこうき雲  作者: 三毛
第五章 絶望の再来
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第四十三話 曇天

アカネの援護があり、急死に一生を得たアキは再度戦おうとするがバッテリーの残量で後退を余儀なくされる、ちょうどその頃反国連軍は…

オルカがアキのメインカメラを潰そうとした時、後ろからAFX-117EEGがオルカを壁に押さえつけた。アキのヘルメットからアカネの声が聞こえた、とても静かな声、大人っぽくない、少女の様な声だった。


「ぐぁ、なんだぁ?!」


「第303技術戦闘隊、退避してください、ここは私が引き継ぎますから」


「誰だ…?」


アカネはオルカを押さえつけながら、バックパックの筒状の物を展開、カバーが開くとそれは40mmガトリング砲が出て来た、オルカに向けると思いきやアカネはアキに向けた。


「早く逃げて…撃っちゃいますよ」


「わわっ…分かったよ…」

(あのガトリング砲、360°回転するのか、それよりあの子怖っ!)


「なんだよこいつ!離しやがれ!」


アキの後退後オルカは、アカネの腕を掴み上げ持ち上げようとしたが、ロボットから出る動きとは思えないほどの繊細な動きで、軽々と回避した。どうにもならないと悟ったオルカはスラスターを全開、アカネの機体を引き摺りながら、D区画D3ゲートを再度突き破った、マンタレイの空爆により地面は掘り返され、ボコボコになっていた。


「ええい!鬱陶しい!」


<撃て>


アカネを弾き、なんとか体勢を立て直したオルカ、落ち着き周りを見た瞬間、異様な光景が目に入った。


「マンタレイが…!」


大炎上しながら傾斜し、地面を主翼が切り裂きながら墜落していくマンタレイが見えた、この時国連防衛軍は最脅威対象をキラーホエールからマンタレイに変更、レールガンはマンタレイに射撃した、その威力は相変わらず絶大だった。マンタレイは墜落後に大爆発、爆発はK区画を貫通し地下第6層D区画にまで被害が及んだ。


「大型爆撃機撃墜!しかしこちらも損害が想像以上です!第6層D区画まで爆発の被害が発生!敵が雪崩れ込んでいます!」


「まずいな…戦闘員を除く職員に退避命令!データは持てるだけ持って、無理な物はすべて焼却しろ!」


サイレンがなり、総司令室にいた職員は非常通路を通り、ベース004方面へと退避していく。


「キラーホエールは何してた!マンタレイが堕とされたぞ!さっさと砲撃しろ!」


「了解、それより、そろそろ機体のバッテリーが無いんじゃないのか?」


キラーホエールは砲撃を開始、目標もなく乱れ撃ちを始めた、オルカもそれに合わせて徐々に距離を置いていく、アキは追撃しようとしたが、バッテリーの状況を見て、一時引くことを判断した。


「ホンダ!ヴァルキリーにバッテリーあるか!?」


「セトか、あるが今それどころじゃないんだ!敵の無人機がヴァルキリーの周りにうじゃうじゃいる、こっちに援護に来て欲しいくらいだ!あの鯨からも砲撃が飛んできている!」


「アキ、ソラ、オサム!ひとまずここで待機しててくれ、俺はヴァルキリーの援護に向かう!」


アキはバッテリーの状況を見た、残り5%、到底動けても数分、ただのお荷物になり、最悪の場合AF-22Sを失うリスクも考えその場で待機する事しか出来なく、下唇を噛み締めた、アキの上空を反国連軍の無人戦闘機が何もないかの様に通過した。


「「セト隊長、無人機が!くそっ!!」」


そう大声で叫ぶ事しかできなかった、セトは背後を振り向かず、AFの右腕を上にあげた。「大丈夫だ、お前らは良くやった」そう言ってもらえている様に感じた。


(アキ達の機体のバッテリーは恐らく10%も無いだろう、俺の機体も長くは持たないな…)

「オラァ!かかって来やがれ!」


セトの周りに無人機が群がって来た、中には敵AFも混ざっており、約10機ほどの戦力を一度に相手にする展開になった、激闘の末になんとか5機ほとまで減らせた時、有人のAFがセトに掴みかかってきた。


「へへっ、このまま自爆してもいいんだぜ?」


「離せ!このクソが!」


バッテリー残量を見た時、もう20%を下回っていた、ここで終わり、そう思った瞬間掴みかかって来た機体が倒れた。何か分からずに周りを見渡していると無線が入って来た。


「よっしゃ、上手くいったなぁ!あんたらには借りがあるからよ!」


「流石だぜ、やっぱ対アーマーフレーム用誘導弾は最高だ」


メイフライ基地で共に戦った歩兵部隊が、セトを助けに来た、これに合わせ地上部隊は各自の判断で展開を開始、セトは肩を撫で下ろしフッと笑った、第13艦隊は周辺海域に到着、VLSによる精密爆撃及び対空攻撃を開始する。反国連軍機体は徐々に後退を開始、この段階でセトは勝利を確信し、少しでも休んでもらう為に303に状況終了の無線を入れた。


「ちっ!引き時だ、キラーホエール!ずらかるぞ!」


「逃がさない、あなたは殺す」


「フンッ!やれるもんならやってみな!」


アカネがオルカを追撃しようとした時、ヤサカ大尉から無線が入って来た、それは攻撃中止の命令だった。


「もういい、今回は俺達の勝ちのはずだ、さぁ空母プロメテウスに戻って」


「…了解」


キラーホエールは艦隊のミサイル群を軽々と叩き落とし、オルカの収容を完了した、徐々に積乱雲を展開、ミサイルが混乱し始めた頃に積乱雲がベース001から離脱していった、それに合わせて反国連軍残存兵力も撤退を始めた。この戦いで国連防衛軍及び反国連軍は20,000人近い死者を出した、もちろん兵士だけなら開戦後歴代最悪の数字だ。

黒煙の影響で空は黒く濁っていた。

ベース001襲撃はこれで一旦終了です!

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