第四話 初陣
戦闘機に乗ったことはあるが、民間旅客機に乗ったことがないアキ、ソラからなぜ戦闘機に乗っているのか聞かれるが、ついニヤニヤしてソラにため息を吐かれる。
「管制塔、こちら第125ユーマ中尉発進準備完了、いつでも出れるぞ」
「了解、タキシングを許可、貴隊のコールサインはアルファチーム、貴機はアルファリーダーである、タワー管制につなげる、周波数は1034だ、グッドラック」
トーンがいつになく真剣だった、いつもなら、管制官と今日の天気の話など雑談を交わすのだが、今日はただ淡々と交信しているだけだった。
「アルファリーダー了解、グッドラック」
「おい見ろよあれ、格納庫の方だよ」
オサムに言われたようにアキが格納庫の方を見ると、地上作業員が帽子を振っていた。
「子供の頃、民間機に乗って出発する時にあぁやってしてくれた記憶あるわよ」
「そうかソラは戦闘機以外にも乗ったことあるんだな」
「えっアキ君は乗った事ないの?」
「うん」
アキの家族は、あまり旅行などいく家庭ではなく、どちらかというと地元の公園やショッピングモールなどで買い物を楽しんだりする様な家庭だった。
ソラは父親が航空関係の会社に勤めていた為、飛行機の経験はそれなりにあった。
「じゃあなんで戦闘機なんか」
「人を守りたいってのもあるけど、戦闘機ってかっこいいよなぁ」
「わかるわかる、アキの気持ちすんごい分かるぜ」
「呆れた…これだから男子は」
男等はニヤニヤしている、ソラは無線からでも想像できる顔に大きくため息をついた。
「お前らぁ、私語もほどほどにな、タワー管制へ、アルファチームタキシング完了」
「こちらタワー、アルファチーム離陸開始せよ」
轟音と共にノズルから赤い炎が出てきた、それに合わせてFG15は滑走していく。
「アルファチーム離陸!離陸後は空中管制の指示を受けろ!」
フラップとギアを格納し、アフターバーナー全開で、7分後、彼らは高度9000mまでゆっくり上昇した
「ベース398、ベース398、こちら288の偵察戦闘機部隊のサーヴァントリーダー、応答願う」
「こちら398、サーヴァントリーダーどうした」
「反国連軍の艦隊を捕捉、だがあまりにも規模が大きすぎる、今から写真撮影を行うデータをそちらに送って…ザーッ」
マイクから不穏な砂嵐が流れ、レーダーには『288LOST』と表情された。
「サーヴァント隊!どうした!応答しろ!くそっ!司令に報告!非常事態だ!」
「補足していたサーヴァント隊がレーダーから消えたぞ!?どうなっている!」
皆が、攻撃と判断するには十分過ぎた、ベース398に、これまでに無い緊張が走る。
「これは…間違いなく攻撃だ…!」
戦闘機…かっこいいですよね…