第三十四話 再会
ソラ達はベース001付近の飲食店を探す、そこで出会った1人の少年とは
「トクマツと違って、大きい建物ばっかりだね〜」
「さすが総司令部専用の街だよなぁ」
休日一日目、3人は鯛の釜飯を食べに市内へ出向いていた。
「ここにも、あそこにも!鯛の釜飯!」
「はいはい」
ソラの口からは、ヨダレが溢れていた、アキは微笑みながら拭き取っていた。ずっと連戦続きで、戦場という空間が常識化してしまっていた3人は、この空気が新鮮すぎた。
「おっ…とりあえずこの店入るか」
「いらっしゃい!こちらの席どうぞ」
3人が入った店は、メインの道から少し離れた路地にある小さな店だった、店の名前はトクマツ。席に座ると店主が話しかけてきた。
「お三方、UDFの?」
「そうです、今日は休暇で…最近入港したんです、ベース001に」
「何処から来たの?」
「ベース113トクマツです」
店主の表情が変わった。
「113なら第6艦隊だね」
「はい、どうかしましたか?」
店の奥から、1人の子供が出てきた、ソラはその子を見た瞬間、急に立ち上がった。
「パイロットのお姉ちゃん!」
「あの時の…!!」
「もしかしてあんた、この子を助けてくれた人かい!?」
「は…!いっ…いいえ…助けたという程では…」
ソラはあのトクマツの悲惨な現状を思いだしてしまい、俯いてしまった。
◯(回想)
『現在、死者及び行方不明者は8000人オーバー!』『警察と消防の展開が遅れています!アーマーフレームを緊急配備!』『重症者のヴァルキリーへの受入準備完了!』『トクマツB地区にて被害甚大!増援を要請する!』『こちらも誰か寄越してくれ!』
「お母さん!!お母さん!!」
「!?子供が1人…」
(まずい!心臓が張り裂けそう…)
「もう大丈夫だからね、ごめんね、ごめんね…私、誰も守れなかった」
◯(回想終わり)
(私は…誰も…)
「茶色の髪の毛をした、パイロットの女の人が助けてくれたって聞いたんだ。あんただったんだね、ありがとう…本当に…」
「いえ…何も…」
「まぁまぁ少しは自信持ちない、あんたが居なきゃこの子死んじゃってたんだからさ」
ソラの足に子供が抱きついた、とてもキラキラした目でソラの顔を見上げている。
「私はその子の母親の姉でね、トクマツが攻撃を受けているニュースを見て、急いで駆けつけたのよ、でも妹は亡くなってた…妹の旦那も、残ったのがその子って訳、ふふっ…驚いたんだけど、この子相当落ち込んでると思ったら、あんたの話しばっかりでね、お陰でこの短期間でこの通りよ」
ソラがアキとオサムの方へ振り向くと、ニコニコしていた。
「この戦争、さっさと終わらせねぇとな!」
「がんばるよ!」
「命の恩人だと聞いたら、サービスだよ!鯛の釜飯作ってくるから好きなだけ食べな!」
「ありがとうございます!」
--キラーホエール艦内
「艦長、第6の奴ら、総司令部に入ったって」
「あぁそうらしいな、総司令のホリコシ…あいつは中々手強い」
「そもそも基地があのサイズじゃあなぁ…まぁこの間の小せぇ基地よりは手応えがありそうだな」
「近いうちに反国連軍は、総司令部への総攻撃を計画している。もちろん私達も出動だよ」
オルカは拳をぶつけた。ベース001襲撃作戦が待ち遠しくて仕方がなかった。
「いやぁ久しぶりだなぁ、遠慮なく大暴れしてやるか!」
--飲食店 トクマツ
「はい、ラトナ名物の鯛の釜飯だよ!」
「わぁぁ、美味しそう!」
そこには大盛りの釜飯があった、ソラは釜飯を口いっぱいに頬張り、とても幸せそうだった。
「いいんですか?こんなに沢山」
「いいさ、いずれここも戦場になる、最近艦隊や飛行機の編隊が良くここに来るんだ、それだけ追い込まれてるって事だろ」
「そこはお互い様って所ですね…」
「戦争だもんね、やられたらやり返すそればっかり」
「そんな事より、トクマツって店の名前もしかしてトンカツ…」
「あぁトンカツ?あるよ!欲しいかい?」
「いただきます!」
店主は熱々のトンカツを持ってきた、ソラはすぐに手をつけ見る見るうちに無くなっていく。
「いい食いっぷりだね、流石は兵士さんだ」
「こへくらいたへないほ!」
(これくらい食べないと!)
「はははっ!まだまだあるからね!」
--ベース001 C88区画 ホンダ艦長自室
「968と288が…」
ホンダはある書類にに目を通していた、部屋を誰かがノックしている。
「どうぞ」
「ようホンダ、ちょっと飲みにでも行くか?」
「セトか…今からか?」
「あぁ」
セトはホンダを誘い、少し離れた居酒屋に向かった。
オープントップの軍用車に2人で乗り、助手席に乗っているホンダにセトは話しかけた。
「ベース968と398が落ちたらしいな」
「らしいな、398は奪還して2日目の出来事らしい」
「俺は"奴"が動いたと思っている」
「間違いない、また始まるぞ」
2人の言う奴とは…




