第三十話 裏切
暴走を開始した、AF62AI、アキ、ソラ、オサムはその変則的な機動に苦戦を強いられる。
AF-62AIの遠隔モニターには《ENEMY CONTACT》と表示されていた。
「あの無人機、アキの方眺めてるぜ」
「ほんとだ、うおっ!?」
AF-62AIはアキに対して攻撃を開始、目元のメインカメラは赤く光っていた。
「ナナセ大尉、これはどういう事だ!ただでさえ我が艦隊はかなりのダメージを負っているんだぞ!」
「強制停止信号を受け付けない…!」
「ちっ!アキ!聞こえるか!その無人機を現時刻を持って敵対勢力と判断した!撃墜しても構わん!」
「うっ…了解!」
「ヴァルキリー含め艦隊は、御世辞にも攻撃出来る状況じゃない、すまんが現状戦力で対応してくれ!」
無人機の刀をなんとか押さえ込んでいるが、上からどんどん重量をかけられ沈み込んでいく。
「アキくん!」
ギギギィィィ!
歯軋りをついしてしまいそうなほど、鉄と鉄の気持ち悪い摩擦音が一帯に響いていた。
「戦闘ヘリだけでも出せないのか!?」
「まだ第6、第7、第8ブロックで火災消火中!隔壁は閉鎖中です!もし開ければバックドラフトの可能性があります!」
「後部ハッチ開放!後方より隔壁を開放していけ!」
ヴァルキリーは後部ハッチを強制開放、ハッチが開いた瞬間、赤い炎が一気に飛び出てきた。
「解放を確認、G20隔壁から1枚ずつ解放します!」
「アキくんを離せ!」
ソラは無人機の首元をフルパワーで掴み上げ、アキから引き剥がそうとしていた。
「力が強すぎる!人間が乗ってない分無理に動かせるのね…キャァァッ!」
無人機はアームを伸ばしとてつもない力で、ソラのコックピットを殴った。ソラはその衝撃で意識を失い、建物の上に叩きつけられ停止した。
「ソラ!くそ!」
「オサム!構わないから撃ってくれ!」
「いいんだな!?撃ってやる!ただ90mmハンドキャノンしか撃てない。果たしてこいつを貫通できるのか…」
オサムはハンドキャノンを発射、ガチン!という音と共に弾薬は明後日の方向に飛んでいった。
「跳弾しやがった、傾斜装甲か」
無人機はアキの機体を持ち上げ、盾にした。
「ぐっ…そろそろパワーダウンかもしれない…」
「AFF-01FAの出力が低下!もう持ちません!」
「甲板にアーマーフレーム用の武器はないか!?」
「1つだけならあります!」
「カタパルトから撃ちだせ!」
ヴァルキリーのカタパルトから120mm砲が発射された。それと同時に、アキのAFはメイン電源から非常電源に切り替わった。
「オサム!いま武器を発射した!受け取れるか!?」
「やってみます!」
(バレずに受け取れるか…?)
無人機は、ずっとアキのAFを押さえつけている。
「よっしゃ!受け取った!」
「そいつで風穴を開けてやれ!」
「喰らいな!」
無人機はオサムが武器を構えていることに気づき飛び掛かり、それに合わせて120mmを発射、右腕の損傷に成功した。
「しゃあ!オラァ!」
「くそっ動かない!オサム!なんとか耐えてくれ!うがぁ!!」
無人機はアキに目一杯蹴りを入れた、アキはその衝撃で気を失ってしまった。
「やったなぁ!このやろう!」
《KILL SAF-01L》
「オサム!そいつはお前の事を集中的に狙うつもりだ!」
「やれるもんならやってみな!」
無人機は乱れる様な挙動を見せつつ、オサムに接近している。
「動きが読みにくいな…」
(こっちもパワー残量が38%か…少々まずいかもしれないな)
オサムの機体から、黄色の発煙弾が発射された。パワーパックの残量が少ない合図だ。
「変えのパワーパックは無いのか!あれば撃ち出せ!」
「衝撃で破損する恐れがあります!ですが今ならAH-24 ソルトが発進出来ます!」
「本当か!よし!今から出撃出来るヘリは全機発艦!出撃後はAFF-01FA及びAF-02Xのパワーパック補給作業、終了次第攻撃を開始せよ!」
『出撃できる戦闘ヘリ部隊は、直ちに発艦せよ』
「アタッカー行くぞ!」
「ぐっ…早い、ダメージも蓄積されている」
無人機は容赦なく、オサムのAFを痛めつけていた。
「はぁ…はぁ…ア…キくんは、無事…?」
「ソラか!アキはいま、気を失っている!いまの機体エネルギー残量はどのくらいだ!?」
「…ん…いまは…ふぅ…42%…」
「おい!大丈夫か!出来るならアキを援護してやってくれ!」
ソラはフラフラでまだしっかりと意識が保てていない、目線の少し先に、装甲が少し剥がれたアキのAFが横たわっている。
「アキくん…!」
(俺はソラの事が好きだ!)
「はっ…あの機体、ぜったい許さない!」
目が覚めたソラは、思いっきりペダルを踏み込み、スラスター前回で無人機にタックルを仕掛けた。
「アキくんを傷つけるなぁ!!」
AF62AIは無人機と呼称させていただきます!




