第十七話 敵前
アキ達は久々の休暇で、商店街へと出向いていた。食事をした後オサムが見たものは…
「久しぶりの休日!わくわくするね!」
「なんでこいつ、こんなはしゃいでいるんだ?」
「飯だよ」
はぁ──
アキは呆れ返ったような表情でため息をついた。
「はわぁぁぁ!とんかつ…ラーメン…カレー…イヒヒ…」
「よだれ、垂れてるぞ…」
「あっ!ここ行こうよ!」
ソラは目をキラキラさせながら商店街を歩いていた、戦闘の名残はあるものの、街には活気が溢れていた。
「おいひいね!ほんはふ!(美味しいね、とんかつ)」
「ちゃんと噛んで食べろよなぁ」
(どうやったらその身体にそんだけの量が入るんだよ…)
アキはソラが元気そうで一安心していた。
「太るよ」
「うっ…」
「ハハハッ!!」
楽しいひと時が過ぎ店を出た、オサムの目線の前には立入禁止区域付近でたむろしている不審な4人組がいた。
何やらフェンスの向こうにある、艦隊を覗いているようだった。
「ちょっとあんたら!その先は軍の管轄だ、早く立ち退きな」
「あぁ〜すまねぇなぁ」
ヘラヘラと笑いながら立ち上がる、着ている服には赤いドクロの刺繍があった。おちゃらけた様子とは裏腹に、目線は3人を見たままで外そうとしない、すぐに戦闘経験者だと分かった。
(こいつらもしかして!)
「アキ、ソラ」
「わかってる」
ソラは気象レーダーを確認したが積乱雲は確認出来なかった。
「オサムくん、確認出来なかったわ」
「わかった」
「そんな怖い顔すんなって!」
「お前らもしかして…」
「そうだったらどうする?なぁ?」
アキは、ホルスターにある拳銃に手を添えた。
「おっと!そこの兵士さん勘弁してくれよぉ!」
「何をだ」
「そこそこぉ!鉄砲入ってんだろぉ?善良な市民にそれはいけねぇなぁ」
立ち位置的にオサムに隠れているはずだったが、見事に見破られた。
やっぱりこいつら普通じゃない──。
アキが必死に打開策を考えていると、アキの方へ近づいて、耳元で囁いた──。
「そう言うのはよぉ、戦場でやろうぜ?准尉さんよ」
「早く立ち去れ!」
「へぇへぇ、こわーい兵士さんだ事」
男達は、不穏な笑みを浮かべながら立ち去っていった。
「隊長、あいつ」
「あぁ、303の准尉殿だ、俺たちの敵だぜ」
たった数分の事だったが、アキ達にとっては50分近く経った様に感じた。
アキ達がヴァルキリーへ向かうと、ワハヤ准将とホンダ艦長が作戦について話をしていた。
「第303技術戦闘隊、アキ、以下三名!入ります!」
「どうした、会議中だぞ」
「先ほど商店街の方で、敵のパイロットと出会いました」
「なんだと!?お前らはどうしたんだ」
「最初は不審者だと思い、職務質問しようとした所、行動や言動が明らかに市民の方とは違い、こちらへ挑発をしてきました。市民の安全のために、今回は拘束をしませんでした」
「それでいい…また攻撃されたら厄介だ、よし、警察と軍隊の警備を強化する、また何かあったら言ってくれ、それと一週間後にレールガン作戦を実行する、各自準備をしておくように!」
「了解!」
彼等は立ち去り、各々を部屋へ戻った、アキは今日のお昼のことで頭が一杯だった。
(そう言うのは戦場で、だと?舐められてるんだ!くそ!悔しい!)
「クソッ!」
「アキくん…大丈夫?」
アキはつい壁を殴ってしまった、隣の部屋のソラは心配で見に来たようだ。
「今日の事、あんまり深追いしないでね、あんなのただの挑発だから」
「わかってる、でも何人も仲間が殺されて、俺は敵から舐められてるんだ!」
「…」
ソラは、黙ってアキの頭を撫でてあげた。
「なにやって…」
「もう良いから、無理に背負わなくても、貴方が生きていればそれでいいと思う」
「そうかな」
「少なくとも、私はそうであってほしいな」
アキの頭を優しく撫でているソラは、まるで母親の様だった。
「私は、貴方と一緒に、ひこうき雲が見たい」
次回はレールガン作戦突入か?




