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ひこうき雲  作者: 三毛
第三章 攻勢
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第十七話 敵前

アキ達は久々の休暇で、商店街へと出向いていた。食事をした後オサムが見たものは…

「久しぶりの休日!わくわくするね!」


「なんでこいつ、こんなはしゃいでいるんだ?」


「飯だよ」


はぁ──


アキは呆れ返ったような表情でため息をついた。


「はわぁぁぁ!とんかつ…ラーメン…カレー…イヒヒ…」


「よだれ、垂れてるぞ…」


「あっ!ここ行こうよ!」


ソラは目をキラキラさせながら商店街を歩いていた、戦闘の名残はあるものの、街には活気が溢れていた。


「おいひいね!ほんはふ!(美味しいね、とんかつ)」


「ちゃんと噛んで食べろよなぁ」

(どうやったらその身体にそんだけの量が入るんだよ…)


アキはソラが元気そうで一安心していた。


「太るよ」


「うっ…」


「ハハハッ!!」


楽しいひと時が過ぎ店を出た、オサムの目線の前には立入禁止区域付近でたむろしている不審な4人組がいた。

何やらフェンスの向こうにある、艦隊を覗いているようだった。


「ちょっとあんたら!その先は軍の管轄だ、早く立ち退きな」


「あぁ〜すまねぇなぁ」


ヘラヘラと笑いながら立ち上がる、着ている服には赤いドクロの刺繍があった。おちゃらけた様子とは裏腹に、目線は3人を見たままで外そうとしない、すぐに戦闘経験者だと分かった。


(こいつらもしかして!)


「アキ、ソラ」


「わかってる」


ソラは気象レーダーを確認したが積乱雲は確認出来なかった。


「オサムくん、確認出来なかったわ」


「わかった」


「そんな怖い顔すんなって!」


「お前らもしかして…」


「そうだったらどうする?なぁ?」


アキは、ホルスターにある拳銃に手を添えた。


「おっと!そこの兵士さん勘弁してくれよぉ!」


「何をだ」


「そこそこぉ!鉄砲入ってんだろぉ?善良な市民にそれはいけねぇなぁ」


立ち位置的にオサムに隠れているはずだったが、見事に見破られた。


やっぱりこいつら普通じゃない──。

アキが必死に打開策を考えていると、アキの方へ近づいて、耳元で囁いた──。




「そう言うのはよぉ、戦場でやろうぜ?准尉さんよ」


「早く立ち去れ!」


「へぇへぇ、こわーい兵士さんだ事」


男達は、不穏な笑みを浮かべながら立ち去っていった。


「隊長、あいつ」


「あぁ、303の准尉殿だ、俺たちの敵だぜ」


たった数分の事だったが、アキ達にとっては50分近く経った様に感じた。

アキ達がヴァルキリーへ向かうと、ワハヤ准将とホンダ艦長が作戦について話をしていた。


「第303技術戦闘隊、アキ、以下三名!入ります!」


「どうした、会議中だぞ」


「先ほど商店街の方で、敵のパイロットと出会いました」


「なんだと!?お前らはどうしたんだ」


「最初は不審者だと思い、職務質問しようとした所、行動や言動が明らかに市民の方とは違い、こちらへ挑発をしてきました。市民の安全のために、今回は拘束をしませんでした」


「それでいい…また攻撃されたら厄介だ、よし、警察と軍隊の警備を強化する、また何かあったら言ってくれ、それと一週間後にレールガン作戦を実行する、各自準備をしておくように!」


「了解!」


彼等は立ち去り、各々を部屋へ戻った、アキは今日のお昼のことで頭が一杯だった。


(そう言うのは戦場で、だと?舐められてるんだ!くそ!悔しい!)


「クソッ!」


「アキくん…大丈夫?」


アキはつい壁を殴ってしまった、隣の部屋のソラは心配で見に来たようだ。


「今日の事、あんまり深追いしないでね、あんなのただの挑発だから」


「わかってる、でも何人も仲間が殺されて、俺は敵から舐められてるんだ!」


「…」


ソラは、黙ってアキの頭を撫でてあげた。


「なにやって…」


「もう良いから、無理に背負わなくても、貴方が生きていればそれでいいと思う」


「そうかな」


「少なくとも、私はそうであってほしいな」


アキの頭を優しく撫でているソラは、まるで母親の様だった。


「私は、貴方と一緒に、ひこうき雲が見たい」

次回はレールガン作戦突入か?

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