第十四話 激突
ミサイルが民間人のいる街へと進行する、迎撃をしようとするが、その時鯨の鳴き声が聞こえた。
「ミサイルの後方よりアーマーフレームと思われる機影を確認しました!」
「セト隊長!もうまもなくアキ達が出撃する!指揮してやってくれ!」
「おうよ!任された!」
「アキ、ソラは近接特化!オサムは120mm徹甲ライフルに換装して狙撃を担当しろ!」
「了解!」
アキ達は空母に到着、パイロットスーツに着替え、AFに飛び乗った。すでに武器は装備されており、すぐに発進できる状態になっていた。
「第303技術戦闘隊、アキ、以下三名搭乗完了!」
「よし!直ちに発艦だ!コールサインはデルタ!発艦後はセト隊長と合流せよ!」
推進剤を点火、彼等の機体は次々と発進する、スカイボードもそれに合わせて発艦する。
「ん?あのアーマーフレームは…」
オルカはカメラの倍率をあげ、アキの機体へズームした。
「間違いねぇ!見つけたぞ!!」
マチェットを装備し、海面スレスレを全速力で突っ込んだ、ミサイルを追い越すような勢いだった。
「一機物凄いスピードで突っ込んできます!」
「気象レーダーを確認しろ!対空機銃応戦準備!」
その時辺り一体に鯨の鳴き声が響き渡った。
「来たか!」
オルカが見たその先には、積乱雲を纏ったキラーホエールがいた、キラーホエールは核エンジンからアフターバーナーを焚きながら、全速力でベース113の空域へ侵入した。
「来た…!奴だ!」
ベース113の兵士たちは背筋が凍るような気持ちだった。キラーホエールのノズルは少し特徴的な形をしており、アフターバーナーを出すと、海洋生物の鳴き声の様な音が鳴る。
「やはり鯨の声はあいつだったのか…」
「ミサイル以前進行中!およそ500!」
「ええい!なんとか撃墜出来ないのか!」
ミサイルはもうすでにトクマツから見える距離だった。ミサイルは目標で急上昇し反転、最終段階に入った。
「もう間に合いません!こちらにも200ほど来ています!」
「各艦に通達!衝撃に備えろ!」
ミサイルは艦隊に命中、残ったミサイルも頭上をすり抜けていった。直前で100発の迎撃に成功したが、その半分の200発はトクマツに着弾した。
「嘘でしょ…トクマツが…」
ソラが見た光景は7年前そのものだった、ソラはあまりのショックに立ち止まってしまった。敵のアーマーフレームは散開し、艦隊へ攻撃を開始した。
「ソラ!何ぼーっとしてる!後方に敵がいるぞ!」
振り向くと敵のAFがソラにライフルを向けていた。
あっ──
ソラは死を覚悟し、目を閉じた。
オサムは狙撃銃を大急ぎで構えた、当たるかどうかは分からなかったが、火器管制システムに頼らずに、マニュアルで射撃した。
(ちゃんと好きって伝えられなかったな)
ドンッ!と言う鈍い発砲音が響いた──
目を開けるとソラにはなんの外傷もなかった、代わりに敵のAFが堕ちていった。
「間に合ったぁぁ…」
オサムの120mm砲がギリギリで間に合った、オサムの額には冷や汗が出ていた。
「ありがと…」
アキが近寄り、援護に入る。
「大丈夫かソラ!安心してる場合じゃないぞ!敵がすぐそこまで、うおっ!」
「お前の相手は俺ダァ!」
オルカは機関砲を放ちながらマチェットを片手に、アキの機体へ突っ込んできた、激しい鍔迫り合いが起こり、戦場は徐々に市街地の方へ向かっている。
「民間人を巻き込むなんて!卑怯者め!」
「なんとでも言いやがれ!」
「アキ!援護するぞ!」
「いや待て!民家に被害が出る!それよりソラを援護してくれ!」
「わかった!ソラ!援護する!」
アキのAFが民家へと突っ込み、オルカはそれを全く気にせずライフルを乱射した。
「やめろって言ってんだろ!軍規違反だぞ!」
「アハハハァ!軍規違反!?しらねぇよそんなの!」
アキはオルカのライフルを掴み、無理矢理曲げようとしたが、オルカはアキに向けてバルカンを発射した。
「うわぁぁぁ!!」
「このまま殺してやる!」
アキのAFを放り投げ、対戦車ロケットを発射した、アキは回避したが、ロケットはその先の学校へ着弾した。
「くそ!もうどうにでもなれぇ!」
「近接戦か!いいねぇ!楽しませてくれる!」
「これでも食らいな!」
オルカは煙幕弾を発射辺りは真っ白になった。
「くそ!どこに行った!」
「おらよ!」
アキの機体は大きく飛んでいき、民家を破壊しながら滑り込んだ。
「くそ…!戦い方を変えなければ!こいつに勝てない!」
トクマツ市の消火急げ!




