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ひこうき雲  作者: 三毛
第二章 時代
11/62

第十一話 反撃

遂に積乱雲の正体が分かり姿を現した、その姿はまるで大きな鯨のような見た目だった。

スレイヴリーダーは、AT10攻撃機にライフルを向けた。


「んなぁぁぁ!!!させるかぁぁぁ!!」


アキはスラスターの出力を目一杯あげ、タックルした、スレイヴリーダーはヨロッとよろけ、照準が外れた、アキが護衛艦のヘリポートを見るとソラのAFが横たわっていた、アキはますます激怒し、なんの躊躇いもなく突っ込んだ。


「なんなんだお前はぁ!忌々しい!うざいんだよ!」


「うるさい!隊長を殺し、俺たちの大事な物をどんどん奪っていく!お前だけは許さん!」


ナナセ大尉は、アキの戦い方がどんどん雑になっていくのがわかった。


「ホンダ艦長、ここは一旦引くべきです、既に友軍艦隊が周辺海域に展開、援護に来ています。何せアーマーフレームのパワーパックは4時間しか持ちません、セト隊長率いる303もだいぶ勢いが無くなっています」


ホンダ艦長は顔を下に向けながら「あぁ…」と吐き捨てた、即座に情報が変わる戦場で全員が疲労困憊だった。

スレイヴリーダーはアキとの鍔迫り合いの中、無線をフルオープンにしてアキに向けて言葉を放った。


「大切なものをどんどん奪う──だと?それはお前らだろうが!8年前!お前達は軍事拠点や軍事設備増強の為に!現地住民に無理矢理な交渉を押し付けた!逆らう者は殺し泣き叫ぶ俺たちを横目に家を…故郷を潰していったんだ!!!7年前の原因はそこにあるんだよ!!」


アキは、初めて聞く国連防衛軍の所業に鍔迫り合いの力が弱まってしまった、スレイヴリーダーはその隙をつき、アキの刀を薙ぎ払った。


「これで落ちろぉぉぉぉ!!!!!」


マチェットを真っ直ぐに構え、コックピット目掛けて猛スピードで突貫してきた。


「アキ!大丈夫か!助けに来たぞ!撤退だ!」


セト隊長は、バルカンを乱射し背後からスレイヴリーダーを蹴り上げようとしていた。


「くそっ!また邪魔が!──時間的にもダメージ的にも少し厳しいか、キラーホエール聞こえるか!スレイヴ隊RTB!援護射撃を頼む!」


鯨のようなシャチの様な鳴き声が響き渡った、その時積乱雲に動きがあった。


「なん…だ、ありゃ…」


「積乱雲から何か出てくるぞ!あれは、鯨なのか!?」


積乱雲を切り裂いて出てきたのは、超大型の航空要塞だった、キラーホエールは、ガンシップの様に120mm砲などの重火器を展開、第6艦隊残存艦艇へと発砲した。


『総員!対ショック防御!甲板作業員は退避急げ!』


アーセナルの甲板作業員は急いで艦内へ入って行った、その約20秒後に敵の鉛玉が第6艦隊全体へ着弾した。


「アーセナル被弾!飛行甲板は損傷大!第2、第3ブロックで火災発生!隔壁を緊急閉鎖!」


「艦隊の状況は!もう一斉射されるとひとたまりもないぞ!!」


「艦隊の損害不明!通信機器が破損しています!消火システムダウン、消火班による手動消火に切り替え!手の空いてるものは消火作業急げ!!」


第6艦隊は大混乱し、それを見届けた様にキラーホエールは転進し戦闘空域から離脱していた、気づけばスレイヴ隊はもう居なくなっていた。


「アッ…アーセナルは!?」


そこには火の海になったアーセナルがいた、ナイチンゲールが沈みアーセナルが代理旗艦になったが全く指示が出せていない状況が続いた、アーセナルも少し傾斜しかかっていた。


「艦隊はこれより、ベース113へ帰還する!発光信号よーい、撃て!甲板上の消火を最優先!303部隊を回収せよ!」


アーセナルから赤い照明弾が上がった、撤退の合図だ、艦艇は即座に反転、トクマツ基地へと向かう。

アキはソラのAFを抱えアーセナルへの着艦アプローチへ入る。


「アキ、いまから俺は敵のAFを回収してくる、ソラを頼むぞ」


「わかった任せてくれ、こちら第303アキ、着艦よろしいか?」


「こちらアーセナル、着艦を許可する、着艦後第1ブロックへ現在甲板は大破し船体も傾斜している、着艦には注意されたし」


アキは恐る恐る着艦しAFから降りた、ソラを介抱しカリヤ医師の部屋まで向かった、カリヤはソラを確認してから周りの状況を確認した。


「いまは病室が空いてなくてな、アキの部屋で面倒を見てくれないか、後から行く多分頭を打ち付けて気絶しただけだ」


「了解!」


アキはソラをおぶって自分の部屋へ向かい、ベッドにおろしそっと布団を被せた、不安で心臓がバクバク言っている。


「こんな気持ちだったんだな…」

キラーホエールは鯨のように見えるみたいですが、反国連軍はシャチのつもりで作ったみたいです^_^

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