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【2025.02.15 書籍発売】追放聖女は最強の救世主〜隣国王太子からの溺愛が止まりません〜【受賞しました  作者: やきいもほくほく
四章

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フランソワーズは号泣するオリーヴと抱き合いながら、無事にフェーブル王国に帰ってくることができた喜びを噛み締めていた。



「よくやった、ステファン」


「父上、すべてはフランソワーズの力があってこそです」


「フランソワーズもよく戻ってくれた」


「はい!」



フランソワーズはフェーブル国王と王妃と抱き合っていた。

まるで本当の親子のようにフランソワーズを可愛がってくれる二人の温かさに目には涙が滲む。



「うむ。ノアとイザークも最後までよく頑張ってくれた」


「ありがとうございます。国王陛下」


「……ありがとうございます!」



ノアとイザークも深々と頭を下げた。


その後一週間、王家にはベルナール公爵とセドリックから手紙が届き続けた。

セドリックの言い分はこうだ。

『本当はフランソワーズしか愛していなかった』

『マドレーヌに騙されてあんなことをしてしまったが君しか見ていない』

彼らの軽薄な言葉の数々には溜息しか出てこない。

なんとかフランソワーズに縋って、自分の地位を取り戻そうと必死なのだろう。


フランソワーズはその場でセドリックとベルナール公爵の手紙を破り捨てた。

読まなくても同じような内容だとわかっていたからだ。

そしてシュバリタイア王国にそのような権利はいっさいない、フランソワーズは拒絶しているので二度と近づくなという手紙が送られたのだった。


隣国には影響が出てしまったところもあるそうだ。

悪魔の宝玉という危険なものを黙って保管していたこと。

そして国全体を危険に巻き込んで隣国まで危険に陥れようと。

周辺の国々から、その責任を問われることになる。


今回の件でシュバリタイア王国はフェーブル王国に統合することになった。

悪魔の影響でシュバリタイア王国は大混乱に陥っていた。

今の王家だけでは再建は不可能だからだ。

何よりシュバリタイア王国の城や大半の街が半壊、または全壊状態。

事情を説明して、フランソワーズが宝玉を壊したことを説明すると貴族たちもすぐに納得したそうだ。

今、フェーブル王国から金銭面の援助や人が派遣されて街を修復中である。


シュバリタイア国王や王妃はその責任を問われて牢の中へ。

一連の流れについて聴取を受けている。

セドリックもフランソワーズを追い出して、マドレーヌと共にこの一件を引き起こしたとして、国王たちと共に地下牢に入ることとなった。

しかしシュバリタイア王家の者を処刑しろという国民の声が強いため、彼らの怒りを鎮めるために拷問を受けた後に斬首刑になるそうだ。

住む場所を失った国民たちの怒りは相当なものだった。


マドレーヌは灰になって消えてしまったため罰を受けることは不可能。

悪魔の宝玉とマドレーヌだった灰は瓶に詰められてフェーブル王国の大聖堂に保管されてる。

万が一にも悪魔が元の形に戻れないようにするためだそうだ。


後々聞いた話によれば、マドレーヌはフランソワーズを冤罪で追い出したことがバレてしまい、責任を取るために宝玉の間に閉じ込められていたらしい。

セドリックはフランソワーズを連れてくるまで国に帰ってくるなと言われて必死だったそうだ。


マドレーヌは王妃や令嬢たちが眠っている間、一人になったタイミングで宝玉を穢し続けていたらしい。

それに気づいた時はもう手遅れで宝玉は真っ黒に染まり、突風により部屋を追い出されてしまった。

そして部屋の中に入れなくなり、暫くはマドレーヌの悲鳴だけが聞こえていたそうだ。

そして人々は意識を失い、城は地鳴りによって壊れていった。


完全に悪魔に乗っ取られたマドレーヌは悪魔と共に消えた。

本来の物語のクライマックスとは違い、フランソワーズが愛する人と結ばれた。

ふたりの立場は真逆のものとなる。


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