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メンテナンス中にログインをしました


現在、学園討伐部では、

13時から16時の時間帯

メンテナンスを実施しております。

ご迷惑をおかけしますが、しばらくお待ちください。



 画面には、黒板にこの文面が書かれ、部活の顧問である先生がお知らせを読み上げた。


 部長はこの画面を見、そのままログアウトをする。



「あちゃ~、部長タイミング悪いよ~」



 安定の教卓に腰掛けていたヒメノ先輩が口を開く。


 今日は、おしゃれなスイングタイプのピアスが揺れる。



「今日あたしがログボ担当だったのに~」


「まぁまぁヒメノさん、まだ今日はもう来ないって決まった訳じゃないでしょう」



 先生は、ヒメノ先輩をなだめるように言うが、本人は口を尖らせている。



「それに! 明日はとうとうリリース10周年よ!」



 黒板の前に立っていた先生は、年甲斐もなくワクワクして口を開いた。


 近くにいる私は、その先生の様子に苦笑いを浮かべる。



「メンテ明け……今日は10周年記念の情報何かありますかね?」



 私が言うと、ヒメノ先輩はこちらを見た。



「あたしら部員は情報なしっしょ。

部長と一緒に明日ドドーンって情報流れ込んでくるパターンね」


教卓からひょいっと飛び降りるヒメノ先輩。


「それよりさ、前夜祭しようよ!

きっと部長は、ログインしてもログボだけ貰っていなくなるんだから、あたしらだけ盛り上がっちゃおー!」



 ヒメノ先輩は、右手を突き上げ、盛り上げてやる。


 先生もそれにならって、おー!、と拳を突き上げた。


 そんな和気あいあいの部室に、扉が開く音が響く。


 開けたのは、スズ先輩のようだ。



「あ、いたいた、ゆま」


スズ先輩は眼鏡をクイッと持ち上げる。


「昨日の返信来てたわよ」



 もう!?、と、私は思わぬ早い運営の返信に変な声が出た。



「ただ……その……内容が機械の定型文で……」


視線をそらし、申し訳なさそうなスズ先輩。


「意見ありがとう、と、前向きに検討します。

バグについては調査します、ってだけだったわ」


「そう、ですか……」



 溢れ落ちるように私は言った。


 少し、いや、とても落胆した。


 先生とヒメノ先輩は、何の話かわかっていないようで、キョトン顔である。


 ただ、空気が重いことだけは察する二人。



「あー……なんかよくわかんないけどさ、スズ!」


「ん? なによ」


「今日の夜、リリース10周年の前夜祭するから、部室に集合!、って校内放送流しといて~」



 三年生コンビは、二人で打ち合わせを始める。


 しかし私は、未だにあんなに考えた案を定型文で片付けられたことが悲しく、周りは浮かれている空間の中、一人だけ暗く思い詰めていた。



「ほ~ら、ゆま!」



 ヒメノ先輩は、バシッと私の背中を叩く。


 あまりの強さに私は、少し咳き込む。



「あたしとあんたは買い出し! 行くよ!」


「え!? あ、はい!」


「飲み物とお菓子買いにいくよ!

飲み物重いから持つのお願いね!」


「えぇっ、私だけが持つんですか!?」



 ヒメノ先輩は、強引に私を部室から購買へ引っ張り連れ出すのであった。


 その強引さが、少しだけ私の気持ちを軽くさせてくれた。さすが、ヒメノ先輩である。

○コンテストで出した原文は、アルファポリスにて

○加筆して今の形になったのは、カクヨムにて

先読みすることができます。


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