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「……できた」



 生徒会室に私の声が小さく響いた。


 前のめりになって打ち込んでいた私は姿勢を正す。


 一年生コンビ・セナちゃんとハナコちゃんが同時に、お疲れ様でーす!、とお礼を言ってきた。



「あ、私、スズ先輩に完成したこと伝えて来ますね!」



 ハナコちゃんは、パタパタと生徒会室を後にした。



「ゆま先輩……」



 セナちゃんは、元気のない声で私に話しかけてくる。


「ん? どうしたの?」


「部長、帰ってきますかね……?」


俯き加減でセナちゃんは続ける。


「カウントダウンボーナスのおかげで、最近は1日1回は毎日帰って来てますけど、デイリーミッションも全部じゃなくて、簡単なのしかやってくれないし……」


「でも私達は、ただ待つことしかできないからね……」


「ハナコや他の人よりかは、私はパートナーだから部長に会ってるはずなんだけどな……やっぱり寂しいです。

昔みたいに、ちゃんと長く会っていたいのです……」



 セナちゃんは、薄暗い天井を見上げた。


 私は、元気付けるためにも口を開く。



「でも、簡単なデイリーをしてるなら

【部室でパートナーをさわる】

くらいならしてくれてるんじゃない?」



 セナちゃんは、うっ!、と止まる。どうやら図星のようだ。


 実をいうと、部室で触る、ということで、私は何度かそれを目撃したことがある。


もちろん、私は見て見ぬふりをしているので、セナちゃんに知らぬ顔で聞いてみたのだ。


 触られたことを思い出してか、紅潮するセナちゃん。



「でもでも!

前みたいに愛情がなくて流れ作業でつついてるみたいな!?」


「それでも羨ましいよ~?」


「更衣室にはきてくれないし!

部室でちょっとタッチしてくれるだけだし!」


「へぇ~?」



 セナちゃんを茶化してみると、やっと少し笑って見せた。


 ひとしきり笑いあうと、はぁ、と一息入れて一言。



「前みたいな部長になってほしいなぁ……」



 そうだね、以外の言葉が私には思い浮かばなかった。



「打ち終わったの~?」



 ガラリと扉が開き、スズ先輩とハナコちゃんが入ってきた。



「はい、確認お願いします!」



 セナちゃんは、まだ浮かない顔をしていたが、私にならってパソコンの近くから離れる。




 何ヵ所か、スズ先輩は文章を見、文面の手直しを施す。


 内容そのものはそのままに、少し文言を変える程度のようだ。


 5分したかどうか、くらいの時間でその作業は終了した。



「これで完了、かな。

送信しちゃっていい?」



 スズ先輩は、眼鏡をクイッとなおし、私を見る。



「はい、お願いします!」



 一年生コンビも、コクコクと何度も頷いていた。


 カチッと一度、クリック音が生徒会室に鳴る。


 ふぅ、と、やっとやることをやりきった気がして、私は息をついた。



「返信は早くても当日には来ないから、今日はここで解散ね。お疲れ様」



 スズ先輩は三人に目をやった。




 私達は、それぞれのプライベートルーム・更衣室へと行く。


 更衣室では、様々な所持コスチュームを着替えることができる。


 部長は、一括着せ替えで全員制服設定に今はしている。


 しかし、全盛期の時は個別に、しかも1日に何度も着せかえてくれて、それに凄く悩んで考えてくれていたものです。


 私は、もう随分と着なくなってしまったコスチュームに目をやる。



「……また……色んな服、着せてくれるかな……」



 私は、小さく呟いた。


 イベントで手に入れたもの、ストーリーで手に入れたもの、ガチャで手に入れたもの、全てのコスチュームに思い出があり、全てなんらかのアクションを部長がおこして手に入れたもの。


 部長との思い出が一つ一つに詰まっているもの。



「部長と、もっと会いたいなぁ……」



 気がついたら、セナちゃんと同じ言葉を私は溢していた。

○コンテストで出した原文は、アルファポリスにて

○加筆して今の形になったのは、カクヨムにて

先読みすることができます。


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