初めての殺人事件
部屋に帰ると鍵を閉め、炭酸飲料を自分でついた嘘と一緒に飲み干すと、
すぐに、糖分で頭ぼーっと目元どんよりおなかぐるぐる、地獄の幼児期退行乳母車推奨探偵となってしまい私自身柄にもないことをしてしまったなぁなどと反省していると急な血糖値の上昇による眠気なのか
こんな状況にも関わらず、グッドスリープよろしく寝落ちをしてしまいました。
時は進み、時計は四時近くまでまわろうかとしたところで「トントン」ノックの音が鳴ります、
ノックの音は大きくはありませんでしたが私の中にあるほんの少しのまじめな気持ちのおかげで、おきることが叶いました。
鍵を開け、ドアを開けるとそこには大きな大きなおっぱいではなく巨人がたっていました。変な意味ではありません。
「本田さん、コンにちは。」私も彼のロボットみに対抗し小さいころお父さんが思いっきり踏みつぶして壊してしまったAIBOを自身にイタコするような気持ちで対話を開始します。
「こんにちは、アリバイ造り始めました、」彼の右手を見るとスマホで動画を取っているようです。やはり予想の上を行くのでしょうか、この男は‼
冷やし中華じゃなくて何だろうタロー次郎ラーメンでもなくて剣道の面うたれたような衝撃をいつも本田某には感じてしまいます。
案の定私が次の発言に詰まっていると徐に動き出し
さっき言っていた自身の部屋と同じ部屋に彼は帰っていきました。
私は見送った後、かの発言の真意を熟考しました。
まず一つ所謂性善説的な考え方をするのならば、これから何か犯罪が起こるかもしれないからもしも何かあったとしても僕は味方です疑わないでください的なこと、もしくはその意味合いも含んだジョークを言ったというパターン
もう一つは普通は考えることはないのだけれど逆を考え文面通り今から犯行をします、ここに来たのはアリバイ作りのためなのでよろしくお願いいします、彼じゃなければこんなことはまず考慮はしません。彼が犯人であろうとなかろうと何の得もないわけですから。
というか、それ以前に人間というのはもっと複雑で入り組んだ言い方の方が性に合っているのです。余りにも発言に余りがなさすぎます。これは余裕がない事とはだいぶ違うと思います。
私が考えるに、彼はシンプルというよりかは質素でそれでいて猛烈な刺激です。
うーん何でしょうなこれは、
そんな思考を巡らせていると
またもやノックの音が聞こえてきました、
私は警戒していた分体を少し早く動かすことができドアを開けると人がいました。女将と木原少年それに少し遅れて本田さんです。部活動の顧問が来ないと思っていたのに来た感じです。
「申し訳ございません。いえ、田畑さんをご覧になっていませんか? 部屋を見に行ったところいらっしゃらないようでしたので、先ほど本田さんにも部屋にも話を伺いに行ったのですが」女将が言わんとしていることがなんとなくわかったので嫌がられることを承知で少し口をはさみました。
「、視ていないと」
「はい、、」この返答で少し嫌な予感はしました。仕方ないねこれは
「うーん私は見ていませんね、本田さんの部屋に何か変わったところはありませんでしたか? 」
「いえ、」
女将や本田さんの表情には特に濁りはないが木原少年は今の会話を聞き何か察したようだ。
「あんた、なんでまず本田さんの部屋から聞いたんだ。」
「深い意味はないのですが、田畑さんは何でしょう安心感ある感じはあるでしょう? それに本田さんってすごい占い上手なので私みたいな凡人とは鏡みたいに対照的で。面白い道具とかあれば何か事件の解決につながるんじゃないかなって。」二等分した本心です。
「まあ、本田さんの胡散臭さはわからんでもないが」その時彼は何かを探しているような動きをしました
「まあなんです、、」そう言葉をつづけようとした時
木原少年が私以外の何かに目線を合わせていることに気づきました、なので言おうとしていたことをやめ
目線をたどり
「押し入れ何か気になりますか? 」
「見ても構わないか? 」自分としてできるだけ淀みなく不信感を持たせぬようにゆっくりと頷きました。
・・・・・
ゆるりと僕は動き始め押し入れに手をかける、ふすまをずらし、視線を落とし、そこにはあった。
そこそこ高い二段づくりになっている押し入れの下に、
正確にはそこにある布団の中に人体が埋まっていた。
血が少し固まり少し滴っていた、
慣れてはないけれど比較的落ち着いた手つきで埋まった肉の肩のあたりをつかみ引っ張り出した。
彼女は両の手首思いっきり刃物か何かでイかれており、今にも手首の白が見えそうでいやな気持になった、
次に顔を確認するあまりに悲痛で凄惨、顔は田畑で間違いないようだ、脈を確認しようと思ったが文字どおりもうない、
・・・・・
いや、いや、
私は空気に味がしないということを忘れて息をのみました。おいしくありません、でも飲み続けました。
グロテスクな手首を見て私が茫然自失しかけていると
女将さんが真っ先にそのおそらく田畑さんであろうそのものに駆け寄ろうとします。が木原少年が後ろに下がりそれをすかさず制止します。勢いのある動きを無理やり止めるために腹のあたりに腕を踏切としてやったためかウっという何かその美貌からは想像もできないような懐かしい音を女将は鳴らします、そんな異常な音さえ安眠のためのオルゴールにすらなりそうなこの状態、私にとっては
「死んでいる」少年が発しました。
女将さんの表情にはもう一遍の平穏はない、私を高いところから見下しています。幼い日の父のように
「もしかして、もしかして」絶対に、絶対に
「あなたがこれをやったとかはあれですよね」絶対に
私ではなく少年が口を開きました。
「いやその可能性がゼロではないことは確かだけれど、俺は絶対にそうだろうとは思わない。」
「それは、なんでなんでなんでわからない分からない、」品の良い点を挙げれば枚挙にいとまがない彼女だったが今は夏休み一日目午前中の少女です。
「だって考えてもみろいくら体格の小さな田畑さんとはいえだ、この人が人を殺害し尚且つ人間一人を運ぶのはとてもリスクのあることなんだぜ、」
「別に死体にしてしまえば運ぶことは不可能ではないでしょう、だから押し入れの下に入っていたのかもしれないし、」
女将は反論した多分これはとても珍しいことでしょう。
「いや逆だ。
俺がもしこの人だったら絶対に押し入れの下には入れない、入れるとしても上だ。
上ならば明智さんに罪をきせようとした人物がいるのではないだろうかという推測なされる可能性が高い
それはこの人の状態で上の布団の間に死体をしのびこませるのが難しいという物理的でだれでも理解できることだからだ。
つまり推論を意図的に展開させやすい。だが下に入れた場合彼女に何のメリットがある。この人なのだから下の押し入れにしか隠せなかった。
そうなる筈それは彼女が答えですよと道しるべを立てながら歩いているようなものだ。
犯人ならばそんなことする必要性がどこにある。警察も大雪で来れないこの状況において隠し場所なんて極論ここの部屋以外だったらどこだっていいはずだ。何でここなんだ意味が分からない。」
「その心理を逆手に取っている可能性は大いにありますがね」本田さんが口を開いた。
「確かになそれは否定しない。そう、可能性がゼロではないといったのはそのためだ。だがこの状況においてはそれもほんの少し不自然だ、この人はさっきの会話で「本田さんの部屋の様子はどうでした」、といったんだこの人が犯人で合理的な思考を利用しようと考えるような人物であるとするならばその行動にはある程度一貫性のようなものが担保されると俺は思う。俺だったら本田さんではなく田畑さんの部屋はどうでしたかと撒き餌をまく、そうすれば話し合いにおいて敵を作らずして自分ペースに持っていける。
わざわざあんたを敵に回す必要性はどこにもないんだよ。」この言い方非常に挑戦的なように私は思えました。
はあ、それにしてもいつ入れられたのでしょう?
彼の部屋にないと聞いた時に少し嫌な予感はしていた
手を早めに打っておいて正解でした。そして思った以上に木原少年は有能なようです。
わたしはせいぜい押し入れの上下の問題でもめて終わるくらいだと思っていました。いい感じに荒らしてくれればよかったのです。
だがそれらしい理由を見つけいい感じにまくし立ててくれています。今のうちに私は真相解明を狙わねばなりません。
まず、大きく分けて謎は二つある。
鍵は閉めただろうか、絶対に閉めた。
ではなぜ私の押し入れに死体が入っていたのか?
・・・・・
そうかこれはなんとなくわかった。ついでにいろいろなことが
ゆっくりとゆっくりと考え考察した。
ここまで考察しておいて何なのですが実はあまりこの考察には意味がありません。
正確には今のところは、証拠がないのです。
やはり警察とは偉大なものです。証拠を見つける能力も高く尚且つなにも見つからなくても犯人を脅して自重させる能力まで高いのですから、1を10にもするし0を100にもします、あの組織は正に鬼に金棒を持たせて島に乗り込んだ日にはその島かの島は鬼が島です。
今ここには警察なんていないけれど、けれども今回は人狼ゲームをすることができます、
ある程度論理の伴った推論ならば証拠がなくとも票を持っていくことが可能なのではないか、もしくは疑いが晴れないまでも、うやむやにするのことならば、人狼ゲームというどう会議をうまく転がしても混乱を招くゲームにおいては可能なのでは。
こうなったからには私は人狼ゲームやりたくなりました。私は1を10にも0を100にもできませんが
今から、Dを0にし真実を一つに判別します。探偵らしく真実はいつも一つってやつですのぉ。