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私恋しちゃったかもしれない

「てか、なんでそんな事を妹のあんたにいちいち言わないといけないのよ?」

「え?それマジで言ってる?一度今の姿を鏡で見た方が良いよ、お姉ちゃっ痛い痛い痛い痛い痛いっ!!頭ぐりぐりするの止めてっ!!」


そしてこんな時に限って妹は部活が休みであり両親も何かを察知したのかいつもであれば二人仲良く買い物に行くのだが、買い物に行く事も無く、そして何かをする訳でもなく家に居座っている。


家で何もすることが無いのなら外出なさいよ外っ!!ほらっ!お出かけ日和の良い天気じゃないっ!


「お、お母さんとお父さんは今日買い物に行かないのかなぁーなんて。何なら妹も一緒に行ってきなよーぉ」

「あ、お構いなく」

「あ、気にしなくていいぞ」

「は?何言ってんのお姉ちゃん。気持ち悪い」

「ほら、外良い天気だし?お出かけ日和かなぁーなんて………えへへ」


そして令和の大女優も褒め称えるであろう私の一世一代の大演技をするも三者三様の反応で家から出ない旨を告げて来る。


あと妹は後で覚えてろよ?


「てかあんた、友達が来るのに何でそんなにめかしこんでいるのよ。普段着ない様な服まで着ちゃって」

「いつもならば友達を呼ぶ時でさえ学校指定のジャージではないか」

「てかお姉ちゃん普段化粧しない癖に何で今日に限って慣れない化粧をしているのよ。どうせ男でも連れ込もうとしてんじゃないの?年中干物女のお姉ちゃんが色づくなんてどう考えもおかしいでしょう」

「何っ!?美奈子に男だとっ!!?父さんは許さんぞっ!!」

「ぐっ!」


もう何なのこの家族はっ!?少しくらい私の心情をっ、思春期真っ盛りの娘の心情くらい察してイーオーンでも行って来なさいよっ!!あと妹は後で覚えてろよマジでっ!!


そして家族相手にあーだこーだと言い合いをしているといつの間にか約束の時間である十三時が来ていたようで、来宅を告げるチャイムが我が家に鳴り響く。


「「「………………」」」

「はいはいはーいっ!!私がお姉ちゃんの代わりに出まーすっ!!今行きますからねーっ!!」

「あっ、ちょっとっ!!」


そしてそのチャイムに私と両親は一瞬固まってしまうも妹だけは俊敏な反応で玄関へとまるで猫の様な軽やかさで向かって行く。


「はい、いらっしゃいま────」


そして妹は私の制止を振り切りそのまま玄関を開けてしまうのだが、何故か妹は固まって動かなくなる。


「ちょっとっ!!恥ずかしいから止めてって!!ほら、高城君も戸惑ってるじゃないっ!!」

「────好き」

「…………は?」

「お姉ちゃん、私恋しちゃったかもしれない」

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