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単純な女

しかも、それに追い打ちをかけるかの如く周りに見える女性達は皆美女、美女、美女、一つ飛ばして美女ばかりである。


右を見ても左を見ても前も後ろもほぼ美女ばかりの光景を見てしまえば『私なんか、本当は場違いなんじゃ』と思ってしまっても仕方のない事であろう。


中には私みたいに勘違いナルシスト勢がちらほら見えるのはご愛敬である。


そこは希望者全員参加オーケーというルール上どうしようない所であろう。


そんなナルシスト達を含めたとしても私が一番ドベであろう事は理解できるのも悲しい話である。


だとしても、例え散々な結果で終わろうとも、降りるつもりなど毛頭ないのだが、ぼそぼそと聞こえてくる誹謗中傷まで耐えられるかと言うとまた別の話である為聞こえない様にスマホに繋げたイヤホンを耳にさして音楽を聴きシャットアウトする。


そもそも『聞こえない様に』ではなく『聞こえる様に』誹謗中傷を言ってくるあたり心の性根が腐っているのだろうから相手にするだけ無駄だと考えを切り替える。


そんなこんなで時間が経つのは早いもので開始時刻まであと五分と迫った所でイヤホン越しからでも参加者である女性達が騒めき始めるのが分かる。


一体全体何が起こったのかと私もイヤホンを取り、みんなが壇上の裏側から覗いている観客席の方へ目線を向けると高城が丁度体育館へと入って来た所で、空いている場所を探しているのかきょろきょろと周囲を見渡している姿が目に入ってくる。


うれしい。


たったこれしきの事で何て単純な女なのだと自分でも思うのだが、たまらなく嬉しいのだから仕方がないと開き直る。


今までは自分の気持ちに気付かないフリをして結果全てが空回りしてしまったのだ。


だから今度は自分の気持ちには正直でいようと思っている。


そして高城は、開始直後に来たせいか開いているスペースは体育館後方しか残っておらず、観念したのかそのまま後方で見て行くようである。


欲を出れば一番前で見て欲しかったのだが、それはそれで私の心臓が持ちそうにないので逆に良かったのかもしれない。


そして、この学校一の美女を決める美少女コンテストの開始を告げるブザーが体育館に鳴り響くと、体育館内は今までの喧騒が嘘のように静まり返り、ピリピリとした緊張感と熱気が溢れ出し、体育館を満たし始める。


『それではこれより、当校主催の美少女コンテストを開始したいと思います。今年は例年と比べて参加者も多く、見応えがある内容となるのではないかと思っております。そして司会はわたくし生徒会書記の真柴と────』

『────実況はわたくし、生徒会長である福留がお送りしてまいります』

『それでは我が高美少女コンテストのルール説明を軽くさせて頂きます』



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