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私の意気地無さと考えの無さ

そして石田さんは続けてこう言う。


「あの時、怖くて一歩踏み出す勇気が持てずにただただ水樹が無視られ続けられる一年間を他のみんなと同じように見ていただけの私には………そんな私なんかが水樹と恋仲になれるなど烏滸がましい話だと思うし、そして他の女性を好きになって恋人を作ったとしても文句なんか言える筈もない。勿論、嫌だと思う気持ちや本当は私が恋人として水樹の隣に立ちたいと思う気持ちはあるのだけれども、それ以上に水樹には幸せになって欲しいと思うから。だから、美奈子さんには諦めて欲しくない。水樹の気持ちが嘘偽りのない真実であるという事はこの私が保証しますっ!!」


そして一気に自分の思いの丈を吐き出した石田さんはヒエラルキー底辺である私に向かって土下座をしたのだ。


今思い返しても、何もかもが衝撃的だった。


高城の過去、石田さんの思い、そして土下座、そして高城をフった私の行動、それら全てが。


それと同時に、私の意気地無さと考えの無さに。


そしてこの日はお開きとなったのだが、それと同時に私の中で一つの目標とやるべき事、やらなければならない事が決まったのであった。


「見ない間にどういう心境の変化か分からないのだけれども、いい顔になったじゃん。ミーコ」

「良い女は一日見なかっただけで劇的に変化するとも言うしね」

「何バカな事を言ってんだか」

「うるせーやいっ」


そう言う眞子の表情はどこと無く晴れやかな表情をしていた。





そして更に二週間が経った。


今日はいつもと学校の雰囲気が全く違う。


それもその筈で今日は文化祭であり皆どこと無く浮き足立っているのが目に見えて分かる。


そんな、朝から最終調整に励む生徒たちを横目に、私はとある場所へと向かっていた。


「失礼します。この催しに参加したいのですがまだ募集してますか?」

「はい。まだ募集して…………えっと山田さんだっけ………?」


そして私はとある教室の扉を開けて今日行われるメインイベントの一つでもある催しに参加したい旨を告げる。


丁度その時の受付係の生徒が私のクラスメイトでかつヒエラルキー上位の女生徒であった為私を見た瞬間目を見開きながら驚いた後は終始笑いを堪えながら参加者の名簿へサインと、催しの細かいルールを教えて来れる。


まだ笑い飛ばして追い出さないだけマシと捉えるべきか、こんな美味しい食材を逃してなるものかと思っているのだろうと捉えるべきか。


兎にも角にも参加できるのであればどちらでも変わらない。

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