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未だに傷心中




夏休みも終わり新学期。


あれからミナに連絡を入れたが『合わせる顔が無い』の一点張りで、いくら俺の事をフッた事は気にする事は無いと言っても『気にする。高城君が気にしなくても私が気にする。今私の不甲斐なさと高城君への申し訳なさで胸がいっぱい』という返信を最後に連絡は途絶えたままである。


当然ゲームにも姿を現さない。


あと変わった事と言えばサユこと俺の幼馴染でもある石田小百合である。


ここ最近は以前の様な人懐っこさも無ければ元気も無く何か悪いものでも食べたのではなかろうか?と思わず心配してしまう程である。


「どうした?今日も元気が無ぇな」

「うるせぇ………未だに傷心中なんだよ。察しろ」


そしてなによりここ最近一番雰囲気が変わってしまったのは何を隠そう俺自身であるともいえる。


今まで何人もの女性をフッておいて自分がフラれてしまい落ち込むとは何とも皮肉なものである。


木田からの軽い掛け合いですら現実を突きつけられている様で軽く凹む。


「はぁ、お前がそんなんじゃ調子狂うじゃねぇか。どうせ山田美奈子に関係する事だろ?」

「はっ!?そ、そんな訳ねーしっ!?」

「そんな分かりやすい態度で反応されたら肯定してるのと同じだぞバカ。ってそう警戒するなよ。誰にも話す訳ねーだろこんな話。俺もまだ死にたくねーよ」

「ど、どうして分かった?」

「どうしてって、ハンバーガー店とこないだの海に来てたお前の嫁とかいう美人なお姉さん、あれ山田だろ?分かる人にもうバレてるぜ。石田とかな」

「なっ!?」


そして俺は木田のその言葉で一気に青ざめて行くのが分かる。


このままではミナに迷惑をかけてしまうと、いままで散々ミナの優しさに漬け込み迷惑をかけてきた奴がと思いながらも今更ながら後悔と申し訳なさが襲ってくる。


こんな自分本位な奴はフラれて当然だったのだ。


しかし、彼女が実は美人であると知られ、俺の他に好意を寄せる者が現れた上にトンビに油揚げを掻っ攫らわれてはたまったモノではない。


想像するだけで怒りとも悲しみとも言い難い何と表せば良いのか説明しずらい負の感情が込み上げてくる。


「おい落ち着けって高城。嫉妬で狂った様な目をしてるぞっ!」

「す、すまん」


そうか、この感情が嫉妬というものかと変に納得してしまう。


「まったくお前の程の者がこうも一人の女性にここまで翻弄されるとは予想すらできなかったよ」

「そうだな。おれも自分がここまで独占欲が強いとは思いもしなかった。一応冷静にしてくれた事は感謝するよ」

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