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塩ではなくジョロキアパウダー

「そうよっ!!ミーコは甘すぎるっ!!それはもう砂糖菓子よりもっ!!と、いう訳で本日は特別ゲストに来て頂きました。ぱちぱちぱちー」


そして私は妹に罵られ、眞子から罵倒され、ただ反論する事なく聞き流していると、眞子が急に特別ゲストとかいうふざけた事を言い始める。


ただでさえ言い返せるだけの気力が無い程までに落ち込んでいるというのにまるで傷口に塩を塗りたくるかの所業、それはまさに鬼のする事だと私は思うと共に順調に心の復讐ノートへと眞子という名前が刻まれて行く。


「お、お邪魔します………」


しかし私はまだ眞子の事を舐めていたみたいである。


傷口に塗られたのは塩ではなくジョロキアパウダー。


私の父母だと思っていたその相手は石田小百合その人であった。


そして、核爆弾もかくやという特別ゲストからは静かに、しかし確実に怒っている事が見受けられるから恐ろしい。


リア充に睨まれるなど蛇に睨まれた蛙、いや今の心情を与すると竜に睨まれた子牛の様である。


しかしその竜からでた言葉は意外な言葉であった。


「もし、美奈子さんがまだ水樹………高城君の事が異性として好きなのであるのなら、どうか高城君の告白を断らずに受け入れてもらえないでしょうか?」


そう言うと頭を下げる石田さんであるのだが、その肩は震えていた。


その震えは意中の相手を奪われた怒りなのか屈辱なのか悲しみなのか、判断しかねるのだが並々ならぬ強い意志がそこに有る事だけは伝わってくる。


伝わってくるのだがしかし。


しかしである。


「えっと、話が見えないんだけど………?」


そう、意味が分からないのだ。


石田さんが高城の事が好きな事は既に分かっている。


だからこそ私に向かって高城とくっつくようにお願いする意味が分からないのである。


「私は高城君とは幼馴染で保育園からの付き合いなの。そうあなた達よりもずっとずーっと前から」


そして石田さんは何も言っていないにも関わらず所々、要所要所でマウントを取りながら勝手に語りだすのであった。





「事の重大さに気付いたようだから一旦はお開きにしますか」


という眞子の言葉を合図に石田さんと眞子は帰って行き、妹はまるで虫を見る様な目で私を見た後自分の部屋へ行ってしまう。


なんて私は自分本位な生き物だったのだろうか?という事を思い知らされた私は真っ白になり自分の部屋の机へと突っ伏すのであった。



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