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悲鳴にも似た雄たけび


どうしよう、どうしよう、どうしようっ!!!


と、とりあえずゴーゴル検索で送信メール無効を検索────私の機種は送信完了画面から三秒以内なら無効にできるっ!!


って三秒かいっ!!使えないわねっ!!


「何やってんのお姉ちゃん?きもいんだけど。なんの儀式?その変なうめき声と動作」


そして私は誤送信してしまったメールをどうにかこうにか無効にできないかと慌てふためき、その光景を妹が気持ち悪い何かを見るかのような目で見つめていたその時私のスマホからRhineの着信を知らす音とバイブ音が鳴り響く。


メールで送ってRhineで返信って。


『ミナの写った写メを送ってくれたらいいよ。あとメールアドレスに直接送られると普段受信ボックスを開けないからな、見ないまま埋もれてしまう可能性があるからRhineで連絡してくれると有り難い。一応ミナだけ着信音変えてるから極力分かるようにはしてるけどな』


生唾を飲み、冷や汗をかきながら震える指で受信内容を確認する為Rhineを開いてみると短い文で一言、私の処刑方法と、それに次からはメールアドレスからではなくRhineで連絡しろという文が書かれていた。


「ていやっ!!ちょっとスマホ借りるねお姉ちゃんっ!!あれもこれもそれも送信送信送信っと。あ、この去年の祭りの時の着物姿のお姉ちゃんも送っちゃえ」

「え?………は?………何をやってんのぉぉぉぉおおおおっ!この愚昧!返せっ!!私のスマホを返しやがれっ!!」

「はい。スマホをお返しします。お姉様」


そして私は野生の肉食獣が獲物を狩るかの如く妹からスマホを奪い去ると送られた写メを消すべく急いで画面を見る『既読』という文字が無情にも妹によって送られた数々の写メの左下に浮かび上がっていた。


そして高城からの返信が来る。


そこには『すべて保存しました。まさかこんなにノリノリで写メが複数枚送られて来るとは思わなかったな。自撮り撮ってくるからちょっと待ってろ』という返信文が画面に表示されていた。


「じゃ、自撮り写メが送られて来たらちゃんと私に送って頂戴ね、お姉ちゃん。それと、そうやっていつまでも自分の気持ちに嘘ついてると私が奪い去るから。これ、冗談なんかじゃないからね」


そしてこの一連の悲劇を生んだ妹はその様な捨てセリフを吐くと私の部屋から出ていく。


いっそ部屋に鍵を付けるべきだろうかと現実逃避がてら割と本気で考える。


ちなみにあれから三十分程経ってから送られてきた高城の自撮り写メを妹に送ると隣の部屋から『きゃぁぁぁああっ!!カッコいいっ!!!』という悲鳴にも似た雄たけびが聞こえてくるのであった。




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