最初から頭がおかしな人だって事は知ってる
いくら普段しない化粧を母親に教わりながらではあるものの施し、普段セットするのがめんどくさいという理由で後ろに一纏めにしている髪を妹に教わりながら何とかふわふわの髪型へとセットし、しもむらではない普段着ない様な服(一張羅)を着ていたとしてあの状況で私だってバレていないと、隠し通せていると思える程流石の私もバカではない。
だからこそ、今こうして『あとは寝るだけで明日がやってくる』という状況にラノベを読んでいる間は現実逃避が出来忘れていた現実に頭を抱えて胃がキリキリと痛み初めているのである。
こんな私の辛さなどクラスのヒエラルキーの頂点に君臨する高城には分からないでしょうけどねっ!!
『そうか?普段と雰囲気が全く違ってたしバレてないと思うんだけどな』
『流石、ヒエラルキーの頂点。バレても学校生活に支障が出ない故の余裕的な解釈、ありがとうございます。そして一発殴らせてください』
『なんでまたそんなに不機嫌なんだよ。てかもうさっきからハンマーで俺を殴ってんだけどっ!?』
『うるさいわね。男なんだからネットゲーム上とはいえどんと妻の奇行を受け入れれるくらいの器量を持ちなさいよっ!器が小さすぎるのではなくてっ!?』
『えっ!?俺が悪いのかっ!?そもそもそのハンマーってよくよく見てみれば一年前にクエストクリア報酬で貰える全武器の中でも攻撃力が一番高いカースシリーズの武器じゃんっ!!何でその明らかに埃被ってそうな武器をわざわざ武器庫から探し出してまで装備して攻撃してるんだよっ!!その事が無駄に分かってしまう分なお怖いわっ!!』
『ふん、これに懲りたら夫として精進するように』
まったく、器の小さな男はこれだから困る。
しかしグラン改め高城はそんな私の反応を見て少し安心したような表情をすると頭を撫でながら口を開く。
『いつもの調子出て来たじゃねぇか。もう大丈夫そう?』
『………………………………………………………………うん、い、一応、ありがと…』
だ、だからそういうところだぞっ!!高城!
◆
「ど、どしたの?ミーコ。学生鞄で顔を隠したりして、傍から見ればただの頭のおかしくなった人だよ?私はミーコが最初から頭がおかしな人だって事は知ってるから良いけどさ」
普段の私は売られた喧嘩は買う女なのだが本日ばかりはそうもいかない。
何故ならば相手はヒエラルキーの頂点グループという青春力が桁違いの相手であるからして、私と同じ青春力底辺である雑魚の喧嘩など買っている暇などないのである。
「おーい、口から全てだだ洩れだぞー、ミーコ?お?私売られた喧嘩は買うわよ?」
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