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群れなければどこにも行けないのか

そしてあたふたと顔を赤くして言い訳を始める高城を見て何だかあの腹黒王子が可愛く見えてくるのだから不思議である。


しかしコレに騙されてはいけない。


コイツは人の心の無い残虐な思考の持ち主なのだから。


もし心を許そうかものなら骨の髄までしゃぶられるに決まっている。


しかし、このリア充の王子高城が今までマクドを利用した事がないという事に少し驚きを隠せないのも事実である。


「でも高城君は友達とかと一緒に行った事くらいはあるでしょう?」


そう、いくら親が金持ちと言えど家の方針で禁止されている訳でも無いのに今まで友達とすら行ったことが無い訳がない。


「は?ないぞ?」

「何でよ。私ですら眞子とたまに行くわよ?行かないわけ無いでしょうよ」

「あー、それはだな………言わなきゃダメか?」

「そんな事言われたら逆に気になるじゃない。何を恥ずかしがる必要があるのよ。男なんだからビシッと言いなさいよビシッと」


しかしこの腹黒王子は今更何を恥ずかしがる事があると言うのだ。


あれか?今更金持ちアピールが恥ずかしくなって来たとかなのか?


謝れっ!


全国の庶民に謝れっ!


「……………からだよ」

「え?なんですって?全く聞こえないんだけど」

「ミナに少しでも良いから会いたくて休日も全て自宅待機して時間空けてた」

「……………………………………………………………………は?」

「………いや、うん。何でもない、忘れてくれ」

「あ、はい」


いやいやいやっ!忘れられる訳無いでしょうがっ!


しかし虚しいのはあくまでも『私』ではなく『ミナ』であるという事に何故かもやっとしてしまうのだが、そんな些細な感情の機微なんかよりも嬉しさの方が勝っている為思わず照れてしまうのだがそれは仕方ない事であろう。


そしてマクドで二人して顔を真っ赤にするというシュールな光景が出来上がっているのだが、私達はそれに気付かずに甘い空間を作り出していた。


故に私達は周囲への注意力が欠けていたのかもしれない。


「あれ?水樹君……?」


振り向くとそこにはポテトとドリンクをトレイに乗せている石田さんがいた。


「どこの席にする?………ってどしたの?」

「おっ、珍しいっ!!水樹じゃんかよっ!!てか女連れとは流石だぜっ!」

「うっす水樹。良ければ一緒の席で食べてもいいか?」

「あ、じゃぁ私店員さんから許可貰って席寄せてくるねっ!!」


そして当然の如く増えていくリア充集団の群れ。


群れなければどこにも行けないのかと問い詰めたくなる。

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