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ワタシ、ウソツカナイ



しかしながら私を舐めないで欲しい。


いくら見てくれが良くてもコイツの中身がドス黒い事を知っている限り惚れる様な事などあり得ようが無いのだ。


そう考えれば高城はこの私を舐めすぎていると言えよう。


今現在夕方の十六時。


書類作業を無給で裁き出して約五時間が経過していた。


そして今現在、高城は姿勢を崩すことなく綺麗な姿勢の状態で眠っているではないか。


むしろ動かない事に違和感を感じれなければ私は高城が眠っている事等分からなかったであろう。


眠っている姿まで姿勢が綺麗とかふざけているのかと私はまだ見ぬ神に問いかけるも当然返事が返って来る気配はない。


私なんて朝起きると掛布団が毎回どっか行っているし………。


そもそも自分の仕事を他人に押し付けといて、自分は眠るとかいかがなものかと私は思いますけどねっ!!


結局、高城が眠っているって気付く前に書類作業全て終わらしてしまったこの私の出来る女ぶりを再確認してしまったではないか。


あぁ、イケメンを何人も侍らせて颯爽とオフィスを歩く、できるOL姿の私の姿が目に浮かぶ。


しっかし、姿勢もある事ながら綺麗な顔立ちよね。


黙ってればイケメンなのに。


あー、まつ毛長っ。


ほっぺもぷにぷにだし。


髪もサラサラ………。


モテるのも分かるわ。





「すまん、いつの間にか眠ってたみたいだ。書類作業何処まで進んだ?あとは俺が家に持って帰って作業するから」

「へっ!、ああ、うんっ!!大丈夫ダイジョーブっ!全部終わらしといたからっ!!」

「うん?どうかしたか?そんなに慌てて」

「何にもない何にもない。ナンニモナイヨ?ワタシ、ショウジキ。ワタシ、ウソツカナイ」


あ、危なかった。


髪の触り心地があまりにも良くて思わず身を乗り出して頭を撫でてしまっていた事が、あと少し高城が起きるのが早すぎるとバレていた所であった。


ただでさえ複数の弱みを握られているというのに更にこの鬼畜悪魔に弱みを見せる所であった。


「ふーん。普通に怪しいけど今日は書類作業終わらしてくれてたみたいだから追及はしないでおくわ」

「な、何も無いけど、一応感謝はしとくわっ!何も無いけどねっ!」


この時私は何とか凌げた安心感により、高城の頬が若干赤く染まっている事に気付くことが出来なかった。



「では、お邪魔しました。また機会があればお邪魔します」

「もう来るなっ!!」

「はいっ!次来る時は私を彼女にしてくれても良いからねっ!!」

「こんな娘でよければいつでも差し上げるから遠慮せず来ていいわよ」

「むぐぐぐぐぐっ!!(娘はやらんぞぉっ!!)」



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