契約
「ローザ!メノがいる場所が多分、分かったわ!」
「あら、お嬢様!それはどこでしょうか?」
「サンフィル公爵家の、何処か?説明したいから、ちょっとついてきて!」
私はローザの手を引っ張りながら、殿下と精霊がいる部屋へ向かう。
◇◇◇◇
部屋に入ると、精霊の説明を本人からしてもらう。
「僕は精霊のアロ。色々あってメノさんを間違えてサンフィル公爵家に転移させてしまいました。」
そう言えば、この精霊。私たちのときは名前を名乗っていなかったような。
「そうだったんですね。アロさん。メノがサンフィル公爵家の何処に居るのかは分かりますか。」
ローザさんあの説明で、良くご納得しましたね。
「……サンフィル公爵家の庭にある木の上だと思います。この前その木の上に落ちて、羽が幾つか落ちたから転移するとしたらそこだと。転移したい場所にあらかじめ羽を落としておくと、勝手に転移用魔方陣が出来ているので。」
そんな仕組みだったのか。……人間が転移魔法使うときってどうするんだろ。
「分かりました。サンフィル公爵家までは馬車で片道1時間もかからないので、変な山奥ではなくて良かったです。後で詳しい説明をもう一度して頂けますか?」
「はい。」
ローザが退出すると、精霊改めアロが妙なことを言った。
「お嬢さん、迷惑をお掛けしましたが……僕と契約しない?元々は契約の打診に来ただけなんだ。」
「殿下ではなく私?」
普通は精霊は魔力量が多い人と契約したがる。私はゲームの通りだと悪役令嬢らしく魔力量がある程度あるが、殿下には及ばない。
「うん、そうだよ。なんか、お嬢さんの魔力は変わってるから一緒にいたら面白いと思ってね。そっちの王子さんは魔力量は多いけど、面白味にかけるから。」
面白いか面白くないかで決めるって結構変わっている。でも、ゲームだと私は精霊と契約出来てなかったから、していいかもしれない。
「そうですか。私でよければ喜んで契約しましょう。」
「じゃあ、契約書を読んでもらって、ここにサインをお願い。」
「……一ヶ月の仮契約期間を過ぎて、互いに不満がなければ本契約に更新される。軽いものだと思ってたけど案外ちゃんとしてるのね。じゃあ、まずは一ヶ月宜しくね。」
「宜しく!」
こうして私は精霊と契約することになった。