不審者
いつも短くてすみません。
「えっと、普通は護衛はいるものじゃないんですか。……じゃあ、私が見たのって幽霊?」
幽霊と言う単語を出すと苦笑された。確かに、子供っぽいが別にいいじゃないか。
「基本的に、僕には護衛は必要ないからいない。幽霊の可能性も否定できないが、肯定も出来ない」
護衛って普通に必要じゃない?王子ですよ?
「まぁそうですね。そうすると不審者が護衛の服着てこの屋敷にいるってことですよね?」
「そうなる。どんな顔だったか覚えているか?」
そう言われると、覚えていない。
「あれ? すみません。全く思い出せません」
「じゃあ、護衛の格好を本当にしていた?」
これも、はっきりとは覚えていない。記憶力が……ほんとに私は今日で十歳になるのだろうか。
「して……いなかったかも知れないです。では何で護衛だと思ったのでしょうか?」
あのときは普通に護衛だと思ったけど、思い返すと、全然格好が違う気がしてくる。
「あくまで憶測だが魔法を使っていたのだろう。他者に自分を誤って認識させる魔法はあるから」
そんなのあるの?色々犯罪に利用されそうだけど。
「魔法ですか。では、貴族の誰かが?」
魔力を持っている人は基本的に貴族が多く、平民にはごくわずかしかいない。そのごくわずかの人が主人公ちゃんだったりするのだが。
「確かに魔法を使えると言うことは貴族の可能性が高い。だがそれなら誕生日パーティーの際にこっそり侵入する方が人も多いから紛れやすそうじゃないか?」
「もしくは、この時間に屋敷に入りたかったとかではないでしょうか。そもそも何のために……目的は一体」
こう話していると、ローザがドアをノックして入ってきた。
「お茶とお菓子をお持ちしました。メノについて他の使用人に聞きましたが、誰も見ていないそうです。彼女には色々仕事があるので現在探しています」
もしかして、メノは護衛擬きの不審者と何かあったとか?ローザに屋敷に不審者がいると伝えるべき?
私は殿下に小声で伝えるべきかを訊ねる。すると何か思い付いたようで、伝えなくていいと言われたのでローザには感謝だけを伝えておく。
「ローザありがとう。メノを見つけたら私にも教えてね!」
「畏まりました。いちはやく見つけ、伝えに参ります」
そう言うとローザは部屋を退出した。