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出来れば、ここにいたいです。  作者: 愬月茉乃
第1章 「ゲーム本編」開始前
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婚約披露

 この国の王太子の婚約披露パーティーが今夜王城にて行われる。本日の主役はステア王太子殿下と一応私だ。


 悪役令嬢でありがちな、「殿下と婚約したいですお父様!」なんて御願いして権力で何とか婚約した訳ではない。ただ単に、家柄と魔力量とで選ばれただけだと思う。


 ステア殿下にエスコートしてもらい、私はパーティー会場へ入る。


 国王直々に祝辞を述べ、パーティーは始まった。


 暫くして、ステア殿下に席を外す許可を貰ってから、料理のコーナーへ移動した。会場には沢山の人がいるため、私が前から消えても気づかれない。それに、道すがら声を掛けられることもなかった。


 流石王城と言うこともあって、高級食材がふんだんに使われている。彩りが美しく、目でも楽しめる。

 

 まだお皿に取るつもりはないが、ケーキの方へと足を運ぶ。すると、懐かしい物がその中に紛れていた。


「……スフレチーズケーキ?」


 実は日本発祥だったりする。その為、今世ではお目にかからなかった。何でここにお前が居るんだと思ったが、もしかするとステア殿下がレシピ提供したのかもしれない。


 本来なら、食後のデザートだと思うが、一つだけ先にお皿に乗せて食べた。


「ふふっ。幸せ」


「やっぱり! ここにいたのね」


 そう言って私の方へと向かって来たのはデイジーだ。


「ルファリエラ、婚約おめでとう!」


「ありがとう」


「会いに行こうと思ったら居なかったから少し探したわ。でも、きっと食べ物の所に居ると思ったの」


 まぁ、お喋りの輪には入れないし、余り入りたくないから自然と料理の方へ足を運んでしまうのは合っている。万が一、私に取り巻きが出来たら、悪役令嬢感が増してしまうし、下手に近付かない方がいいと思っている。


「そんなに分かり易い?」


「ええ!」


「……あ、そう言えば、ルファリエラはもう妃教育って受けているの?」


 ……妃教育。はい、忘れてました。


 兄さんが戻ってたときに、一度思い出したんだけどなぁ。


 追放や処刑云々ではなくその前に死にそうで怖い。

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