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出来れば、ここにいたいです。  作者: 愬月茉乃
第1章 「ゲーム本編」開始前
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返却日

 サンフィル家から借りていた本を返しに来たのだが、デイジーは風邪で寝込んでいるようで、今日は会うことが出来ないと、私を出迎えてくれたメイドに伝えられた。今日は会えることを楽しみにしていたのだが残念だ。


 メイドに図書館まで案内され、扉を開けるとメイドは戻っていった。


「あの……ルファリエラ・フルールさんですか?」


 後ろから、そう私に問いかけたのは、顔立ちからしてオーガストだろう。私としてはあまり会いたくは無かった人だ。


「はい、ルファリエラ・フルールと申します」


 彼とは初めて会うと思うが、もし万が一何処かで会っていた可能性もあるので、初めましては言わないでおいた。

 

 それと、ゲームのことを思い出した。オーガストって病弱で気弱で低身長なんだよね。それで身長が低いとかルファリエラに馬鹿にされたのを根に持っている。ルファリエラを嫌うのはそれが発端だった筈。


 でも、ゲームの彼とは違い気が強そうで身長は私より高いし、至って健康そう。主人公はこの気が弱い所を改善してあげていたのだけれど、その必要は無さそうだ。


「あ、私はデイジーの双子の弟のオーガストです。姉から話は聞いています。今日は本を返しに来たのですよね。姉に代わって手伝います」


 弟?ゲームの設定では兄じゃなかったっけ?記憶違いかな?


「ありがとうございます」


 オーガストに手伝って貰ったので十五分ほどで本は全て元の場所に戻った。


「ルファリエラさん、良かったらケーキ食べていきませんか?ケーキが好きだと聞きました。姉が用意させていた物があるので」


 控えめに言って食べたい。ケーキは自粛するべきだろうけど、少しなら……。


「いいのですか?ケーキ好きなので、そうさせていただきますね」


 私は美味しいケーキと紅茶を御馳走になり、デイジーさんの話をオーガストから色々と話してもらった。

 しかし、彼から語られるデイジーは私の印象と異なっていた。それはまるで、ゲームでのオーガストのように、体が弱く、今日のように寝込みがちで、自分に対する自信がなく、人の意見を気にしてしまう人であった。

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